定価 | : | 1,540円(税込) |
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判型 | : | 46判変形 |
体裁 | : | 並製 |
頁数 | : | 168頁 |
ISBN | : | 978-4-7612-7126-8 |
発行日 | : | 2015年11月9日 |
「正義」は決められるのか?
読者様の声
- 平易な表現で理解しやすい。哲学を解する人も改めて楽しく読めると思います。(59歳男性・医療福祉)
- トロッコ問題をおもしろく感じ、どちらが正しいのだろうか、色々な意見を聞いて考えてみたかったから。(20歳男性・学生)
- 書店で、カバーの帯が印象的で手に取りました。自分だったらどうするだろう、と考えながら読み進めていくと、様々な意見があって、とても興味深いと感じました。読んでいる途中で哲学の本だと気がつきました(笑)。とても、考えさせられる本でした。また、読み直してみたいと思います。何度でも読みたくなる本です。(20歳女性・学生)
- 大学では、歴史学を勉強していましたが、ロールズ、サンデルなどの正義論に関心を持っています。わかりやすく、考えさせられました。(52歳男性・サービス業)
- 人には様々な考えがあり、ひとつとして真実の正確はなく、自分ひとりの考えにとらわれてはならないことを学びました。
(32歳男性・会社員) - タイトルだけ見るとすごく難しそうだと思っていましたが、読みやすくて、倫理・哲学に詳しくない私でも楽しく読めました。哲学入門書をもっと読んでみたいです。(18歳女性・学生)
- 大学推薦の課題図書としてこの本と出会いました。トロッコ問題のことは、高校の現代社会の授業で先生の脱線した話で取り上げられました。私は、5人の命を助けるために1人の命を奪うことに反対でしたが、読んでいく中で、結論は自分には出せないと思いました。深く考えさせられる、良い本であると思いました。(17歳男性・学生)
- 大学進学の際、課題図書として指定されていた。本書の中で出てくる「常識」を信じ切ってしまうことの怖さを感じました。(18歳女性・学生)
- 哲学については未知でしたが、シトウレイさんのインスタグラムで知りました。(31歳女性・技術職)
内容紹介
1人の女性が引き起こした事件を題材に、倫理的ジレンマとどのように向き合い、「正しさ」を決めていけばいいのか、その方法を紹介!
路面電車が暴走している。このままでは線路の先にいる5人がひき殺されてしまう。
切り替えスイッチを押して電車を待避線に誘導すれば5人は助かるが、待避線にいる1人が死ぬ。
さて、5人を助けるために1人を犠牲にすることは許されるのだろうか?
舞台は2015年、サンフランシスコ。路面電車の進路を切り替えて5人の命を救った女性が、待避線にいた1人を殺した容疑で裁判にかけられる。
検察、弁護士、大学教授、心理学者などさまざまな立場からの意見が交錯するなかで、「世論の法廷」の陪審員たちは(そして、あなたは)どんな結論を下すのか。
サンデル教授の白熱教室で話題を呼んだ倫理的ジレンマを、現代のドラマとして巧みに描きだした哲学フィクション。
目次詳細
プロローグ
暴走する路面電車
新聞記事 ――正義の味方か、殺人犯か?
路面電車のヒロイン、殺人罪で起訴される 勇敢な市民が一夜にして容疑者に
警察資料 ――そのとき現場で何が起こったのか
サンフランシスコ市警の事件報告書
陪審員の選任 ――誰が「正義」を決めるのか
世論の法廷へようこそ
検察側の主張 ――功利主義の危険な罠
クリーブランド・カニンガム地区検事長による最終弁論
弁護側の反論 ――常識と直感
弁護人マーサ・バウムガーテンによる最終弁論
クリティカル・シンキング講座 ――アナロジーの功罪
宇宙は時計に似ているか?
心理学者の見解 ――「よい」ことは定義可能か
迷走する路面電車論争に科学の視点を
カトリック司教の意見 ――アクィナスの「二重結果の原則」
ペドロ・オショーネシー司教による法廷助言書
ラジオ討論 ――利他主義のジレンマ
自己犠牲の境界線
大学教授の議論――犠牲者は誰だったのか
もうひとつのシナリオ
結論の前に ――判断の根拠を問いなおす
「正義」は決められるのか?
運命の評決 ――正義か罪か
陪審員の出した結論
エピローグ
正義を考えるということ