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2018.12.17

研修をうけても社員が変わらない理由

古川武士氏
習慣化コンサルティング株式会社 代表取締役/米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー

研修を受けても結局、何も変わらない。このような悩みはないでしょうか?
どうすれば、研修やセミナーを受けっぱなしではなく、それをどうやって血となり肉となるのでしょうか?
経営者・人事担当者であれば社員教育に、ビジネスパーソンであれば自己開発に役立つヒントをご紹介したいと思います。

気づきとやる気はすぐ消える

なぜ、いい研修を受けても結局変わらないのか?
その最大の要因は、「気づきとやる気はすぐ消える」からと私は説明しています。

次のグラフをご覧ください。
研修を受講した直後は、非常にやる気に溢れて、気づきも多いものです。しかし、一晩寝て少なくとも職場で忙しい毎日に突入すると気分はトーンダウンします。その最大の理由は私たちの脳は焦点を当てたものに強く反応するからです。研修時はそのテーマに焦点を当てているから、やる気も気づきもある。しかし、職場に戻ると怒涛のような毎日のやるべきことリストに直面します。慌ただしい日常に焦点を当てると、研修時にあったやる気と気づきは流れていってしまいます。
だからこそ、研修時にこれを踏まえておくことが重要です。

学びの4つのレベル

では、研修を受講した後、確固たる定着をするためにはどうすればいいのでしょうか?私が提唱する4つの段階は次の通りです。

LEVEL1.分かる

 まず新しいスキルを学んだり、知識を得ること自体は必要です。その意味において研修・セミナーを受講したり、本を読んだりすることは自己成長に欠かせないものです。
 世の中には、多くの英知があり、自分の問題は多くの場合、誰か、どこかに答えがあるものです。そのために学び続ける習慣はビジネスパーソンとして成長するために必須だと思います。但し、多くの場合、この分かる段階で満足して終わるため、真の自己変容は起きないのです。

LEVEL2.気づく

 知識や理論はあくまで一般論です。自らの仕事や自分に合うように応用して工夫する必要があります。そのためには、内省して自分ごとに落とし込む段階が必要です。研修内でやることもありますが、その時間だけでは不十分です。鉄は熱いうちに打てといいますが、研修での学びの新鮮さがあるうちに内省をしてみてください。

LEVEL3.できる

 次に、気づきを行動に変化して、実践することです。分かるとできるが違うといいますが、まさにその通り。そのために、いつ・どこで・何を・どれぐらい実践するのか、具体的にスケジュールベースで考えていきましょう。

LEVEL4.続ける

 最後は習慣化です。一時的に実践することと、それを継続して無意識レベルでやれることとは違います。ビジネスの多くのケースは、習慣化という領域に落とさなければうまくいかないのではないでしょうか?時間管理であれ、コミュニケーションであれ、ロジカルシンキングであれば、日常の習慣化が最大の鍵と言えます。

できると続けるの鍵

では、どうすればいいのでしょうか?
分かる、気づくはイメージがつくとして、実践する、継続するためにどうすればいいかが最大の難所だと思います。

そこで今回は、「LEVEL3.できる」 「LEVEL4.続ける」のポイントを深堀して紹介します。

LEVEL3.できる

気づきを行動に変えるのは難しいものです。
最大のポイントは、具体化です。
私は、一晩で856個のアクションプランを添削したことがありますが、行動に移せないアクションプランの共通項は、「何をするのか?」という具体的な行動が決まっていないのです。
「時間を有効に活用する」と決めたとします。しかし、それは結果であって行動ではありません。
そこで何をするのかをピンポイント行動を具体的に決めていきます。

たとえば、次のような行動アイデアに落とし込むとどうでしょうか?
1.タイムマネジメントのメソッドを10調べる 
2.時間活用がうまい先輩AにPDCAの実践例を聞く
3.自分の時間活用における悩みを10書き出し、課長と先輩に聞く
4.帰りに書店によって、プランニングができる手帳を買う
5.明日の仕事の予定を10分で立ててから帰宅する

このレベルになれば、行動に移すことができます。
私はこれを行動フォーカスアプローチというメソッドで「超行動化」と呼んでいます。

LEVEL4.続ける

最後に継続です。一時的に実践できたとしても、それを習慣化することはさらに難関です。最大の難所はスタートしたての7日間で「すぐに実践しない言い訳を考える時期」がやってくることです。今日は時間がなかった!使うタイミングがなかった!という言い訳です。私たちの深層心理は、「いつも通り」が大好きなので、新しい変化行動を拒絶します。良い習慣と思っていることも、心はいつも通りじゃないと抵抗したくなるものです。だからこそ、巧妙な言い訳をするのです。しかし、この言い訳に負けないことが重要です。
そのためには根性論ではなく、テクニックで乗り切りましょう。
ポイントは、小さな一歩で始めることです。

「時間を有効に活用する」を扱うならば、どの行動を習慣行動にするか1つに絞ります。

たとえば、明日の仕事の予定を10分で立ててから帰宅するという行動を習慣にするとします。しかし、23時まで残業して一刻も早く退社したい日に実践できるでしょうか?おそらく今日は残業したからできなかった!とやらず仕舞いになる可能性が高いのです。
そこで、最初の7日間は 「TODOリストに明日絶対にやるべきことに◯だけつける。オフィスでできない場合は、移動中の電車で手帳に◯をつけるだけ。」と決めてみるとどうでしょうか?
◯をつけるだけならば、とりあえずできそうです。
こうして7日間、この行動をとり続けると次の2週目は最初ほど心理的ハードルを感じないものです。
このポイントだけ抑えていただけましたら継続のヒントになると思います。

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