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2021.09.21

「小1の壁」のため短時間勤務の延長を求める声にはどう対応すればいい?

山口理栄氏
育休後コンサルタント®/株式会社山口企画 代表取締役

【質問】育休から復帰し子どもが小学生になる社員が増え、「小1の壁」のため短時間勤務の延長を求める声がある。どう対処すればいいでしょうか。

【回答】

「小1の壁」にはいくつか要因がありますが、就業時間に一番関係が深いのは学童保育の保育時間です。学童は18時から19時ごろに終わる所が多く、保育園の延長保育より終了が早いため退社時刻に影響が出ます。また、学校は朝の開門時刻が遅いために、子どもを家に残したくない場合は出社時刻を遅らせる必要が出てくるのです。これ以外にも、子どもの勉強を見てやりたい、学校に慣れるまで早く帰って出迎えてやりたいなど、さまざまな要望が出てきます。かといって、時短期間の延長をするのがよいとは限りません。なぜなら、時短を使い続けることで自ら調整して両立環境を整えることを先延ばしにすることにつながるからです。

今後の「小4の壁」、これは学童保育の多くが小学3年生までしか預からないことから生じるものですが、その対応まで会社に要求してくることになりかねません。制度の拡充を求める以前に、子どもの自立に合わせて、家族や協力者を組み合わせて両立環境を整えることを社員に求めるべきです。
単純に時短期間を延長するという形ではなく柔軟な対応でニーズに応えている事例として、時短を使える月数の上限を決めておき、育休復帰後から小3までいつ使っても良い制度、また、入学後の数ヶ月だけ時短を使えるという制度などがあります。保育時間以外にも授業参観やPTA活動などが平日に行われるという問題があります。
これには、目的を限定した休暇や、半日単位、時間単位の休暇があると便利であり、そういった形での支援が望ましいです。

在宅勤務の拡充も非常に有効です。
業務にもよりますが、在宅勤務が可能な社員には 極力在宅で働くことを認めることが、本件の解決策になります。在宅勤務にすることで通勤時間がなくなるため、通常勤務に戻した事例を数多く聞いています。また、自宅で子供の帰りを迎えたいという社員のニーズにも応えることができます。

講師プロフィール

山口理栄 (やまぐちりえ)

青山学院大学 社会情報学研究科 プロジェクト教授
育休後コンサルタント®

1984年総合電機メーカー入社。ソフトウェア開発部署にて大型コンピュータのソフトウェアプロダクトの開発、設計、製品企画などに従事。2度育休を取り、部長職まで務める。
2006年から2年間、社内の女性活躍推進プロジェクトのリーダーに就任。

2010年より育休後コンサルタントとして法人向けに育休復帰社員、およびその上司向けの研修を開始。
個人向けには育休後カフェ®を主宰し、全国及びオンラインで随時開催中。
2017年より育休後アドバイザー養成講座を開始。
同年、育休後カフェを開催するための人材として、育休後カフェ・ファシリテーターの育成を開始。

2021年より株式会社山口企画代表取締役。
2021年7月より現職。

昭和女子大学現代ビジネス研究所 研究員
特定非営利活動法人女性と仕事研究所 メンター
日本女性技術者フォーラム 会員
日本女性技術者科学者ネットワーク 事務局
NPO法人ファザーリング・ジャパン 賛助会員
東京商工会議所 個人会員

2016年5月「改訂版 さあ、育休後からはじめよう 〜働くママへの応援歌」(労働調査会)
2015年2月「子育て社員を活かすコミュニケーション【イクボスへのヒント集】」(労働調査会)

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