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2021.03.22

共働きで子どものいる家庭が増え、転勤を辞退…。会社としてどう対策すればいい?

山口理栄氏
育休後コンサルタント®
株式会社山口企画 代表取締役

【質問】共働きで子どものいる家庭が増えたことにより、転勤を辞退したり、配偶者の転勤により離職を余儀なくされたりするといったケースが増えてきました。会社としてどのような対策が考えられますか。

【回答】

育児・介護休業法では「事業主は、労働者を転勤させようとするときには、育児や介護を行うことが困難となる労働者について、その育児又は介護の状況に配慮しなければならない」と定めています。したがっ て、転勤に応じられないことによって不利益になるような処遇は避けなければならないのです。

子どものいる社員について、子が一定の年齢以下であれば転勤を猶予するという制度を作った会社があります。これは、子どものいる女性社員が転勤を辞退するケースが増えたことによるもので、猶予申請に伴う処遇の変更はないといいます。

配偶者の転勤にともなう離職対策としては、配偶者の転勤先の近くに自社の拠点がある場合は、そこへ異動させるというケースがあります。また、自社の拠点はなくても、同業他社との連携で再就職を可能にする事例があります。地方銀行64行は、行員が配偶者の転勤先にある別の地銀で働けるようにする仕組み作りで連携しました。労働力人口の低下を背景として他の業界でも今後こういった相互の人材受け入れ協力が広まる可能性が大きいです。配偶者の転勤により、一度退職せざるを得ないケースでも、再雇用制度があれば、一定の年数以内なら再度雇用することが可能です。

最新動向としては、転勤に積極的な社員と、一定の地域内の異動のみ受け付ける社員を分けて、社員の希望にそうような配置とし、待遇に差をつけない、という会社が出てきました。また、在宅勤務を利用し、転居しない形での異動を可能にした会社もあります。

社員が安心して仕事に集中できる家庭環境を維持するために、転勤制度を見直す時期に来ているのではないでしょうか。

講師プロフィール

山口理栄 (やまぐちりえ)

青山学院大学 社会情報学研究科 プロジェクト教授
育休後コンサルタント®

1984年総合電機メーカー入社。ソフトウェア開発部署にて大型コンピュータのソフトウェアプロダクトの開発、設計、製品企画などに従事。2度育休を取り、部長職まで務める。
2006年から2年間、社内の女性活躍推進プロジェクトのリーダーに就任。

2010年より育休後コンサルタントとして法人向けに育休復帰社員、およびその上司向けの研修を開始。
個人向けには育休後カフェ®を主宰し、全国及びオンラインで随時開催中。
2017年より育休後アドバイザー養成講座を開始。
同年、育休後カフェを開催するための人材として、育休後カフェ・ファシリテーターの育成を開始。

2021年より株式会社山口企画代表取締役。
2021年7月より現職。

昭和女子大学現代ビジネス研究所 研究員
特定非営利活動法人女性と仕事研究所 メンター
日本女性技術者フォーラム 会員
日本女性技術者科学者ネットワーク 事務局
NPO法人ファザーリング・ジャパン 賛助会員
東京商工会議所 個人会員

2016年5月「改訂版 さあ、育休後からはじめよう 〜働くママへの応援歌」(労働調査会)
2015年2月「子育て社員を活かすコミュニケーション【イクボスへのヒント集】」(労働調査会)

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