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石田淳 著『マンガでよくわかる 教える技術2 チームリーダー編』刊行記念イベントレポート

IMG_6737 13万部のベストセラーとなった『マンガでよくわかる 教える技術』の続編である『マンガでよくわかる 教える技術2 チームリーダー編』 刊行記念として、1月22日に八重洲ブックセンターにて、著者・石田淳先生のトークイベントが開催されました。“行動科学”という観点で、短期間で8割の「できない人」を「できる人」に変えるチームマネジメントの手法を教える本書。「チームを活性化し成果を上げるために、リーダーは部下とどう向き合い、部下に対してどのような働きかけをすればいいか」、そのポイントを一部公開いたします!

ビジネス、人間関係に効く! 石田流自己紹介からスタート

石田さん
それでは、2、3人で1チームになって、1分間、簡単な自己紹介をしてみましょう。仕事の話ではなく、あなたの顔がわかるようなプライベートな話をしてください。1人の自己紹介が終わったら、相手の方は大きく拍手をしてあげましょう。

石田さんのこの号令による自己紹介ワークからイベントがはじまりました。 この自己紹介は、石田さんがアメリカで人間の行動分析学、行動心理学を学んでいたころ、企業同士の人間関係を短期間で作ることを専門とするコンサルタントの先生に教わった「仕事上の人間関係をつくるためのコツ」なのだそう。仕事関係の人でも、最初に仕事以外の自分の話をすることによって人間関係を築くことができるそうです。参加者同士の自己紹介が終わり場が和んだところで、石田さんが簡単な自己紹介をされました。

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今回はワークの多い、実践的なイベントとなりました。熱心にメモを取る参加者のみなさま。

石田さん
僕は、マラソンやトライアスロンが趣味です。でも実は、今から5年前の45歳の頃まで僕は20年以上運動をしたことがありませんでした。そんな僕が、検診で少し内臓脂肪が多いという結果が出たことをきっかけに、運動をはじめることに。もともと走ることなんて大嫌いだったのですが、手軽にできてお金もかからないので、ひとまずはじめてみたんです。
「せっかくならちょっと大会に出てみようかな」なんて思って、半年後にフルマラソンに出場して完走できました。それから1年後に北海道の100キロマラソンに出場して完走。そしてなんと、その1年後にはサハラ砂漠を250キロ走るというマラソンに出場して、2回倒れたもののなんとか1週間かけて完走しました。 その翌年、今度は反対に地球上でいちばん寒いところで走ろうと、南極トライアスロンというものに出場したんです。最高気温がマイナス20℃で最低気温がマイナス50℃という極寒の中、テントで寝泊まりしながら1週間かけて走りました。もう二度とやろうとは思いませんが……(笑)。

僕の場合はちょっと極端ですが、これは人をマネジメントする技術を自分に応用した「自分が嫌いな事を習慣化するセルフマネジメント」の一環だと考えているんです。

 

“仕事ができない”人を“できる”人に変える教え方

自己紹介ワークが終わり、いよいよ本題に入ります。近年、企業からは人材不足の悩み相談が多いそう。募集しても応募が少ない、入ってもすぐに辞めてしまう。原因を見てみると、仕事のミスマッチ以前の問題であることが多いのだそうです。

石田さん
これから日本の若年層の労働人口はどんどん減っていきます。そんな中で経営側が良い人材を確保するには、2つの点が重要だとお話ししています。 1つは、仕事のやりかた、つまり知識と技術をうまく教えること。そしてもう1つは、継続するための環境づくり。以下、これらについて詳しく説明していきましょう。まず、僕がコンサルティングをする中で、ハイパフォーマーとローパフォーマー両方の社員に話を聞いて行動分析をしていくのですが、ほとんどの場合、両者に大きな差があることは少ないんです。
つまり、出来ない人も教え方や環境で変わる可能性があるということです。 仕事ができない人には理由があります。ひとつは、「やりかたがわからない」、もうひとつは「わかっていても継続することができない」、そのたった2つです。 「やる気ないんじゃない?」「仕事に対する考え方が甘いんじゃない?」と思うのではなく、その2つのどちらなのだろう?という視点で必ず見てください。そうすれば、その人に適した教え方がわかります。

「やりかたがわからない」人の場合、その知識と技術を上手に教えればいいそうで、この時の教え方のポイントが以下の3つです。

①結果に直結している行動を分解する
②チェックリストを作る
③技術の反復トレーニングをする

これらのやり方は、本書にも詳しく解説されています。


セミナー会場である八重洲ブックセンターでは『教える技術』シリーズ4冊を用意していただきました。
読みやすいマンガ版から知るもよし、マンガの元になった親本から学ぶのもあり。

 

若い部下が求める仕事のモチベーションを知る

ここまで仕事の教え方について説明された石田さん。次に「仕事のやりかたをわかっていても継続することができない人」のための環境づくりについてお話されました。

石田さん
先日、公益財団法人の本生産性本部による『2015年度 新入社員 秋の意識調査』の結果が発表されました。その内容でもわかるとおり、今の人と昔の人の仕事のモチベーションってまったく違うんです。昔はわかりやすく金や出世といったものを求める人が多かったのですが、今の人はそれを求めていない。出世したくない、部下を持ちたくない。つまり、若い部下が「何を目的に仕事をしているか」、イコール「動機付け条件」をきちんと把握しなければ、ズレたコミュニケーションになってしまうわけです。
彼らひとりひとりの「動機付け条件」を知り、それにあった環境設定をしてあげる。働くモチベーションを適切に与えてあげることが必要なんですね。 行動科学マネジメントでは、「金銭的報酬」とそれ以外の「非金銭的報酬」を会社側がバランスよく与える「トータルリワード」という概念を大切にしています。非金銭的報酬に関して、私は日本向けに「感謝と認知」「仕事と私生活の両立」「企業文化や組織の体質」「成長機会の提供」「労働環境の整備」「具体的行動の明確な指示」という6つの要素にまとめているのですが、この中でも重要なのが「感謝と認知」。特に若年層は“認めてほしい”という人が非常に多いんです。

近年、脳科学の研究が進む中で、ヒト・動物が、何らかの欲求が満たされた際、「報酬系」という神経系の働きによって快感を与えられることがわかっています。この「報酬系」は金銭をもらったときに活性化するのはもちろん、感謝や認知、賞賛の言葉で同じように活性化するそう。つまり、感謝されたり褒められたりすることは、給与と同じような報酬となるのです。

石田さん
「褒めるってどう褒めればいいんですか?」という質問をよくいただきます。これは、人格ではなく、具体的な行動を褒めてください。「○○くんは、すごいね」ではなく「○○くんの面談の件数はすごいね」「○○くんの訪問の際の会話が上手だね」といった具合に。

ちなみに叱り方もまったく同様です。「お前はダメだ」といった人格否定は絶対にNG。「訪問件数が少ない」「日報を出してこない」というように具体的な行動に着目して声掛けをしてください。 また、タイミングも大切です。できるだけその場で早く褒めることがポイントなのですが、「サンキューカード」のように実際に記録に残るようなものを活用するのも良いですね。 現在、さまざまな企業で研究が行われており、その結果、離職率に直結するものが判明しています。それが「コミュニケーションの回数」なのです。接触回数と離職率は比例しているのです。 皆さんも、部下とどれくらいコミュニケーションを取っているか、感覚ではなくきちんと調べてみてください。そのためにまず、スケジュール帳に部下と何回話したか、「正」の字で毎日チェックしてみましょう。接触した回数と、その中で何回その人を認めてあげる言葉をかけたか、逐一記録します。実際に実践した方々からは、こんな報告があがっています。

「こんなに部下によって偏りがあると思っていなかった」
「その人の好き嫌いとはまったく関係がないのだが、会話の多い人少ない人がはっきりわかった」
「アルバイトの人に話しかけたら、半年ぶりに話しかけられてすごく嬉しいといわれた」

皆さんも、まずはぜひ自分自身の行動を計測してみてください。きっと職場の環境が変わると思います。
マンガでよくわかる 教える技術2 チームリーダー編』にはこのように使える技術が満載ですので、ぜひ活用してください。本日はありがとうございました。

【著書好評発売中】  

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第1弾『マンガでよくわかる 教える技術』
第2弾マンガでよくわかる 教える技術2 チームリーダー編

【プロフィール】
石田 淳
米国行動分析学会(ABAI)会員。日本行動分析学会会員。日本の行動科学(分析)マネジメントの第一人者。 アメリカのビジネス界で絶大な成果を上げる人間の行動を科学的に分析する行動分析学、行動心理学を学び、帰国後、日本人に適したものに独自の手法でアレンジし「行動科学マネジメント」として展開させる。 精神論とは一切関係なく、行動に焦点をあてた科学的で実用的なマネジメント手法は、短期間で8割の「できない人」を「できる人」に変えると企業経営者や現場のリーダー層から絶大な支持を集める。現在は、日本全国の人材育成、組織活性化に悩む企業のコンサルティングをはじめ、セミナーや社内研修なども行い、ビジネスだけでなく教育、スポーツの現場でも活躍している。日経BP「課長塾」の講師でもある。 主な著書に13万部のベストセラーとなった『教える技術』をはじめ、『〈チーム編〉教える技術』、大判の『〈図解〉教える技術』(すべて小社)、『課長塾続ける課 行動科学マネジメント実践ワークブック』(日経BPムック)などの組織マネジメント本の他に、セルフマネジメントの指南書『「続ける」技術』(フォレスト出版)、教育書では『子どもの続ける力』(小社)など多数ある。趣味はマラソンとトライアスロン。

(かんき出版)