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『シンプルだけれど重要なリーダーの仕事』刊行記念 守屋智敬×ジョン・キム イベントレポート

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11月13日『シンプルだけれど重要なリーダーの仕事』刊行記念として、著者の守屋智敬さんと、作家のジョン・キムさんによるイベントがブックファースト新宿店にて開催されました。かつて人生の葛藤の中にいた守屋さんに、大きな気づきを与え自分を変えてくれた本の著者がジョンさんだそう。本書に推薦の言葉を寄せてくださったジョンさんをゲストに、本さながらさまざまなキーワードに溢れた対談をダイジェストでお届けします。

■本書が打ち出した“新たなリーダー像”とは?

ジョンさん
守屋さんの本を読んでいて、僕は、すごく温かい愛を感じたんですね。決して上からの目線ではなくて、伴走しつつ、この人はのどが乾いているかもしれないと思ったら水を差しだしてあげたり、肩が凝っていそうだったらちょっと揉んであげたりするような、寄り添っているような気がしたんです。

守屋さん
ありがとうございます。

ジョンさん
なので今までのリーダー像とちょっと違うんですね。今までは、指示を出したり、権威を振りかざすようなトップダウン型のリーダーが典型だったと思います。本書に書かれているリーダー像は守屋さん自身の人格もあって、常に共感をするというか、共感哲学を持った、今まで書かれたことのないタイプ。その哲学や理想を、決して夢物語に終わらせず、自分の中での戦略や、実用・実学的な行動指針を持って組み立てているところがとても素晴らしいと思いました。

守屋さん
そう言ってもらえるだけで本当に嬉しいです。肩書きを外し、自分を規定するものがない状態でしっかり存在していないと、いろいろな役割や立ち場で、自分自身がその都度やらなければいけないことが全部バラバラになってしまいます。本当の自分ではないことを塗り重ねていくと、どんどん自分を苦しめていく。私自身がそうだったんです。 それで、この気持ちは一体なんなんだろうと思い、立ち戻ったところが、肩書きも何もない自分という存在でした。それが、今回の本の中で書かせてもらっているポイントなんですね。

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本書の著者・守屋智敬氏。10月に発売された著書は現在2万部突破!

■鎧を身につける強さではなく、捨てることの大切さ

ジョンさん
いろいろな役を演じたとしても、最終的に、その根幹にあるものが変わらないものであれば、ブレなくなりますね。僕はそれが本質だと思っていて、その本質というのは、この本の中でいうと、「あなたの人生において何がいちばん大切なのか?」ということを、自分と向き合った先に見つけられるかどうかなのだと思います。それができる人は、その瞬間に、自分の人生のリーダーになっていくはずなんです。

守屋さん
そうですね。組織でトップに立ち、人を引っ張っていくようなリーダーは、スキルを持っていなければいけない、鎧をより強固なものにしていくという考え方があると思うんですけれども、東北でのある出逢いをきっかけにその考えが変わりました。私は、あえて「捨てること」が大切なんだと思ったんですね。 全てを捨てるというか、捨てざるを得なかったという経験をされた方と出会った時に、初めて、鎧を身につけていく強さではなくて、捨てていくことの強さであったり、捨てたことによる人間としての本当の優しさや、包み込む力に触れられたという感じがしたんですよ。

ジョンさん
はい。わかります。

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守屋さん
すごく勇気のいることですが、身につけるというよりは、そぎ落としていく、捨てていくということに目を向けてもらいたいという想いが生まれました。

ジョンさん
何を捨てて何を拾うか、何をやめて何を続けるか、などの判断をする際の基準が必要になってくるんですね。自分がなぜ仕事をしているかとか、社会的な使命はなんなのかとか、根幹にある哲学や、本質を見極められるかどうかですよね。

守屋さん
それともう1つは、1人で生きているのではないということ。支えてくれる人たちがいるからこそ、自分は捨てることができる。その目的と人との繋がり、共感、信頼がしっかりあることが、いちばん自分に勇気をもたらしてくれるんじゃないかなと思っていますね。

■質問から見えてきた2人の文章作成術

会場からの質問:いつも本質を語っていらっしゃる印象を受けます。お二人はどのように文章をまとめているのでしょうか?

ジョンさん
昔は100ページを書くなら、300ページ書いて、その中で本質的なこと以外を削り落としながら完成させていくというやり方で進めていました。 最近は「文字を浪費してはいけない」と思い、iPhoneで書いています。iPhoneで書くと、自分の思考と入力スピードにタイムラグが発生します。自分の思考スピードに対して、入力スピードが遅れるので、その間に、自分が想定しなかったようなアイデアや考えというものが列をなして待つようになりました。 僕が1行書こうと思って入力している最中に、思ってもいなかった考えが次々と、たとえるなら人気のラーメン屋みたいに行列をなしてくる(笑)。どんどんお客さんが並んでいく感じで、途中からすごく楽しくなっていくんです。
自分が慣れ親しんだデバイスではなく、ちょっと書くのに苦労するようなデバイスを使ったほうが、結果的に、言葉の純度が高くなることを体感しまた。300ページをiPhoneで書くわけにはいきませんが、本質的な部分は、これで十分かなと思っています。

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アウトプット方法は紙でも行っているというジョンさん。「使っているのは100円均一のメモとペン。ペンは1日に1本のペースで消費しています」と現物を披露。

守屋さん
私が使っているのは、エバーノートというアプリです。お使いの方も多いと思いますが、見開き1つの項目のエッセンスを、1行か2行だけ記録していきます。一旦、それを寝かせておいて、ある時に見て変えていく。意外とはかどるんです。 アウトプットに向いている時間があって、朝5時過ぎくらいに家の周りを散歩するんです。その歩いている時に、「あ、こういうことかな」とひらめくこともあり、肉付けするのは後にしています。

ジョンさん
たとえば、2人でランチをしたら、熱が冷めないうちに相手と語っていた中でいちばん印象的だったもの、会話のやりとりを書いて再現してみることもあります。 最初は、相手の話から得た学びや、洞察、気づきについて書こうとスタートするんですが、それが1つの起点となって、会話の中にも出てこなかったいろいろな思索がどんどん出てくるようになります。

守屋さん
そうですよね。この言葉に共感するポイントや、言葉選びは、自分自身を映す鏡のようなものだと思うんです。そうやって生まれた視点に関連するできごとがその日にたくさん起こったりするので多分それは、自分自身の見方がその考えた方にシフトしているからなんだと思います。そうした、物事の見方や考え方などの変化を実感する場面がたくさんありますね。 今日はジョンさんとお話できて、再発見することがたくさんありました。ありがとうございました!

※守屋さんの著書『シンプルだけれど重要なリーダーの仕事』は好評発売中!
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【プロフィール】
守屋智敬
株式会社モリヤコンサルティング代表取締役。地域再開発計画のコンサルティング業務や地域振興プロジェクトに従事。人材系コンサルティング会社・HRインスティテュートの立ち上げ期に参画。以来16年にわたり、経営戦略策定、組織開発プログラムを通したリーダー育成にチーフコンサルサントとして活躍。2万人以上のチームリーダー、課長、部長クラスに対して「論理思考」「戦略思考」をベースに「発想力」「変革実行力」「組織開発力」を発揮するための「リーダーシップ」を磨く研修を実施。 2015年、株式会社モリヤコンサルティングを設立。14年から復興庁の“新しい東北モデル事業”の一環として、いわて復興ツーリズム推進協議会にてチーフ・アドバイザーに就任し、復興地におけるリーダーシップ研修のプログラム開発を支援。復興庁の企業再生専門家として、復興支援にも携わっている。http://www.moriyatomotaka.com/

ジョン・キム
作家、韓国生まれ。日本に国費留学。米インディアナ大学マス・コミュニケーション博士課程単位取得退学。博士(総合政策学)。ドイツ連邦防衛大学技術標準化部門博士研究員、英オックスフォード大学知的財産研究所客員上席研究員、米ハーバード大学インターネット社会研究所客員研究員、2004年から2009年まで慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構特任准教授&プログラムマネージャー、2009年から2013年まで同大学大学院政策・メディア研究科特任准教授。情報通信学会理事、内閣官房・総務省・経済産業省・文化庁の民間委員を務める。2013年からは、パリ・バルセロナ・フィレンツェ・ウィーンに拠点を移し、執筆活動中心の生活を送っている。『女性自身』に「ジョン様の心に美味しいキムゼミ」を連載中。著書に『媚びない人生』(ダイヤモンド社)、『真夜中の幸福論』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)等多数。最新刊に『来世でも読みたい恋愛論』(大和書房)。絢香やSuperflyなどのプロデュースを手がけた元音楽プロデューサー四角大輔氏とオンラインサロン「Life is Art」を主宰。http://johnkim.jp/

(かんき出版)