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小西利行先生

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著者インタビュー『すごいメモ。』著者 小西利行先生に聞きました!

更新:2016.2.23

サントリー「伊右衛門」「ザ・プレミアム・モルツ」など誰もが一度は目にしたことのあるCMや、越谷の「イオンレイクタウン」というショッピングセンターのクリエイティブ・ディレクションなどなど……広告企画、新商品開発から都市開発まで幅広く手がける小西利行さん。こんなに公開しちゃっていいの!?というほどテクニック満載の、どんな仕事の人にも役立つ『 すごいメモ。』についてお話を伺いました。

本書を執筆するきっかけを教えていただけますか。

編集担当の米田さんからご連絡をいただいたのが最初ですね。『 伝わっているか?』(宣伝会議)というアイデア系の本はすでに出版していたので、自分の中にほかのネタはないかなと考えて「メモ」を思いつきました。僕のメモはよく、「変わっているね」と言われるんです。米田さんにそれを話したら、「そのメモ面白いんじゃないですか」ということで、自分のメモの取り方を思い返してみて総ざらいしたという感じです。

メモはどのようなものを使っているのですか?

いつも使っているメモは2パターンあります。
ひとつはRollbahnという横に罫線の入ったB4サイズのノート。会社には常に30冊から40冊くらいストックしています。これには移動している時や得意先で様々な情報や思ったこと、気づいたことなどを書き込みます。自分じゃないとわからない、個人的なメモですね。
以前は全てこれ一冊でメモしていたのですが、現在はデジタル系のメモを増やしました。A4の白い用紙にメモしたものをPDF化して、それをEvernoteに格納していく。そのPDF上にさらにメモをするというやり方もしています。
このA4の白い用紙は、公けに配るメモとしても活躍しています。社内スタッフと打ち合わせをするときなどに、ポイントや次回までにやってほしいことなどの指示をメモして皆に配るんです。
実は打ち合わせをすると、意識がバラバラで、次に何をやってくるのか分かっていない人たちもいるんですね。次までにこの課題をやっておこうと言ったのに、次の会議で「これやってきました」「え? なんでこれを!?」とトンチンカンなことをしてくる人もいたりする。クオリティを維持して“会議をドライブさせる”ためには、意識を統一し「今回の課題はこれで、次回の課題はこれだ」と明確にすることが必要で、そのためにメモを使っています。

著者の写真
手前左にあるのが小西さん愛用のRollbahnのノート。

本書で特に読んでほしいページ、または章はどこですか?

個人的には2章ですね。考え方の整理法などを書いた1章も面白いとは思うんですが、2章の「メモをアイデアの発想のために利用する」というテーマは、あまりないと思うので。
巻末で対談している作家の伊坂幸太郎さんもそうなのですが、たまに仕事中でも会議中でも、紙にいたずら書きしている人っているじゃないですか。あれは、情報を定着させているのではなくて、発想するためのラフを描いている状態なんです。
2章の中でも特に、僕がずっと昔から好きでよく使っている「三角メモ」がオススメです。本書ではホワイトとブラックの2種類を公開してみましたので、ぜひ皆さんにも活用してほしいと思います。方法論さえわかれば、誰でもアイデアを生み出せるはずなんです。

こんなに使えるテクニックを、惜しみなく披露してしまっていいんでしょうか。

同業の人からは、たまに「ダメ」って言われるんですけど(笑)。本書の内容はすべて、今現在、僕が実際に使っているリアルなテクニック、というよりも“考え方”なので、かなり使えると思います。
僕は、経理でも人事でも、どんな仕事もクリエイティブなものだと思っています。仕事でも日常生活でも、すべて順調なものなんてない。どこかに必ず「滞り」が生まれますよね。そんな、些細な滞りを改良するアイデアを発想することが、実は、クリエイティブなんです。面白い映画やドラマを作ることだけがクリエイティブなことではありません。
「滞り」を解消するために、ぼんやりと頭の中で考えていてもたいがい解決しません。でも面白いことに、「うーんどうしよう、困った」ということを一回筆記すると頭が整理されるんですよ。なんとなくもやもやしていることを日記に書くとすっきりすることがありますよね。困っている「滞り」について、箇条書きでもいいから書き出してみると、情報が整理されて解消するためのアイデアが生まれたりします。
メモって、会議の内容を筆記するだけでなく、自分の気持ちを落ち着かせたり、ストーリーを発想したり、色々なことに使えるんですね。

著者の写真

本書をどんな方に読んでほしいですか?

どんなビジネスでも応用できるような基礎的なことを書いているので、ごく一般のお仕事をしてる方に読んで欲しい。でも特に“カタイ”仕事をしてると思ってる人たちにこそ読んでほしいです。ほんの少しメモの取り方を変えるだけでいつもの企画書などもかなり変わると思います。それから学生さんにも読んでほしいですね。
僕自身、新入社員時代にメモの取り方を変えて、なんというか、仕事が明らかに変わったんですよ。それまで単純に自分は、膨大な情報の“取り方”がわからない状態で“混乱”していたんだと気づきました。この“混乱”がすべての元凶。だから、そこに秩序、整理術を持ちこむ、そのツールがメモなんです。

制作中に苦労したこと、または編集担当とのやりとりで印象深いエピソードなどありましたら教えてください。

実は、執筆途中で一回心が折れそうになったことがあったんです。このメモ術って完全に僕の個人的な方法なので、他の人が読んだときに、役には立つと思うけれど面白いかな?と思いはじめて。けれど米田さんがさらっと「面白いと思いますよ」と言ってくれました。それは大きかったですね。
それから、実質の執筆時間は一ヶ月程度でしたが、仕事が忙しくて時間が取れず、トータルで制作に一年半くらいかかっているんです。その間ずっと、メモについて意識していたので、自分のメモを客観視でき、ひいては自分の仕事のやり方を見つめ直すことができたんです。それをどんな人にも使えるようにするためには……とずいぶんと考えたので、わかりやすく深くなったのではないかと思います。
それから僕は、コピーライターなので、読者によりわかりやすく伝えなければという意識が強い。なので、難しいことをより簡潔な文章にまとめる作業に苦心しました。内容的に複雑な部分もかなり簡単な言葉で説明したつもりです。

最初はもっとボリュームがあったそうですね。

そうです。完全に落とした章立てもありますし、コラムももっとたくさんありました。でも米田さんから「この辺はいらないと思います。切っちゃいましょう」と、ざっくりやられましたね。それも結構心が折れたかなぁ(笑)。
たとえば落とした中には、「この課題を次の打ち合わせまでにこうして」と人に指示を出すときに、確実にいいアイデアがアウトプットされる「7項目のフォーマット」などがありました。第3章の「つたメモ」に入れようかと思っていたのですが、メモ術から少しはずれてしまうので削ったんです。

ではぜひ次作で! ところで、タイトルの最後に「。」がついていますが、その意味はなんでしょう?

気になりました? それが狙いです。僕は広告の人間なので、こういう興味を引く「引っかかり」を作りたくなるんです。これはコピーライティングのすごくシンプルな手法なんです。「。」をつけるとタイトルから文章やメッセージになる。それがタイトルだと人はちょっと不思議な感覚になる。
本書の中でも、メモに「○」をつけたりタイトルをつけたりといった単純なテクニックが結構あるんですが、それは全部コピーライティングの方法論を応用していることになります。そういった、ごく「当たり前」のことなのだけれどあまりできていなかったり気づいていなかったりするものを集めました。タイトルはその象徴です。

最後におススメの本を教えてください。

指針になっているというか共感、納得した本は、ベストセラーでもあるジェームス W.ヤング『 アイデアのつくり方』です。
薄い本なのですが、内容は為になります。誰かに貸して返してくれないから買い足したりして何冊も持っているんです。
これは、クリエイティブな仕事をしていてアイデアを作り慣れているような人はすっと理解できると思うんですが、そうでない人は『すごいメモ。』を読んでから読むことをオススメします。『アイデアのつくり方』はかなり端的に書かれているので、その文章の周りにある考え方を大まかに捉えてから読んだ方が理解しやすいと思いますよ。

様々な場面で役立つメモ術、ぜひ実践したいと思います。本日はありがとうございました。

【お知らせ】
2016年2月26日青山ブックセンター本店にて小西利行さんのトークイベント開催!
ガンホー・オンライン・エンターテイメントを創業し、現在、Mistletoe株式会社代表取締役兼CEOとしてスタートアップベンチャーの育成に携わる孫泰藏さんをゲストに迎え、小西利行さんとともに、お二人からアイデアを生み出した時の話や、メモに対する考え方、実際のメモなどについてお話し頂きます。お問い合わせ、お申込みは こちらから。


著者プロフィール

小西 利行 (こにしとしゆき)

POOL inc.ファウンダー。コピーライター/クリエイティブ・ディレクター/劇作家/絵本作家。
1968年生まれ。京都府出身。大阪大学卒業後、1993年に株式会社博報堂入社。2006年に独立し、POOL inc.を設立。「伝わる言葉」を掲げ、CM制作から商品開発、都市開発までを手がける。
主な仕事に、サントリー「伊右衛門」「ザ・プレミアム・モルツ」、TOYOTA「もっとよくしよう」、PlayStation4「できないことが、できるって、最高だ」、HOME‘S「ホームズくん」キャンペーンなど。また新商品開発にも多数携わり、ハウス「こくまろカレー」や「伊右衛門」、ザ・プレミアム・モルツ「マスターズドリーム」、ロート製薬「SUGAO」などのヒット商品を量産。数々の店舗、商業ビルなどのプロデュースも行ない、2008年「イオンレイクタウン」のクリエイティブ・ディレクションで、国際SC協会世界大会にて日本初となる「サステナブルデザインアワード」最高賞を受賞。「一風堂」国内&世界戦略プロデュース、吉野家などのブランディングを手がけている。CLIO、ONE SHOWなどの海外広告賞を多数受賞。著書に、『伝わっているか?』( 宣伝会議)、アートディレクターの水口克夫氏と共に手がけた、絵本『ぞうぼうしパオ』( ポプラ社)がある。

著作一覧

すごいメモ。

定価 1,512円(税込)
判型 46判
体裁 並製
頁数 256頁
ISBN 978-4-7612-7142-8
発行日 2016年1月18日

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