前著から7年経っていて、新しい睡眠方法を考案していたり、いろいろ更新された睡眠の情報もあって、アップデートした新しい本を作りたいなと思っていたんです。その時に、ちょうど編集担当の今駒さんから執筆依頼がありました。構想だけありましたが、なんとなくタイミングが合わなくて。本当に今駒さんはグッドタイミングで来てくれました。
著者インタビュー

6月に発売し、重版出来となった『 驚くほど眠りの質がよくなる 睡眠メソッド100』。著者の三橋美穂先生は、これまで1万人の眠りを変えた快眠セラピストです。20年にものぼる三橋先生のキャリアの集大成となった本書では、快眠のための100の方法をご紹介しています。三橋先生に寝苦しい夏の夜も熟睡できるポイントなどを伺いました。
本書を執筆したきっかけを教えてください。
これからの季節にオススメの睡眠メソッドを教えてください。

P172からの「夏の睡眠」の項目ですね。夏は背中と布団が密着することによって背中が蒸れて、途中で目覚めてしまいがち。背中の通気性をよくすることが快適に眠るポイントなんです。解決法としては、涼しい敷きパッドなどを使うこと。なければ、段ボールで代用してもOK。シーツの下に段ボールを敷いたり、シーグラスマットという100円均一で売っている玄関マットを使うのも手です。
また横向きで寝ると、背中が敷き布団と密着しないので涼しく寝られます。さらに抱き枕を使うと体の重さが分散され、リラックスできるのでオススメです。抱き枕を持ってない方は、使っていない布団をくるくるまとめて、紐でしばれば簡単にできますよ。詳しくは本書のP174を参照してみてください。
寝苦しい季節になると、朝起きたとき肌がベタベタすることもあります。これだと快眠できてないでしょうか?
ベタベタしていても途中で目覚めなければいいんです。逆に汗をかくことが嫌で、冷房の温度を低めに設定してしまうと、体が冷えすぎて朝に体がだるくなったりします。ちょっと汗ばむけど目覚めないぐらいの温度に設定して寝るといいですね。体質や使っている寝具にもよりますが、26~29℃くらいです。特に夏は短パンで寝ることも多いと思いますが、足が出たままだと明け方に足がつることがあります。足が冷えて起こる現象なので、夏でもレッグウォーマーをつけて眠るのもオススメです。
執筆中に苦労した点や印象深いエピソードがありましたら教えてください。
最初に編集の今駒さんと打ち合わせしたときに、眠りのタイプ別の解決法を提案されました。それに当てはめる形で原稿を書いていったんですが、全体の印象が硬くなってしまったんです。その原稿を読んだ今駒さんも多分「硬いな」と思われて、「好きに書いてください」って言ってくれたんです(笑)。それで肩の力が抜けて一気に書けました。
今駒さんからは、“つかみ・やること・解説・おまけ”という順序で、各ページの原稿を書くようオーダーされたんです。1項目ごとのリズムがつかめて、スッと読めるような、軽いタッチで書けるようになりました。100個そろえるのは大変でしたけど、そのアドバイスでグッとよくなった気がします。
今駒さんがすごく丁寧に校正してくれて、読みやすく直してくれたんです。私も何冊も本を出版しているので、一般の読者さんが読みやすいようにやさしく書いたつもりでした。でも、今駒さんから指摘された部分にハッとさせられることが多くて、自分へのいい気づきにもなりました。

最後にオススメ本があれば教えてください。
知人から面白いよと薦められた『 ニュー・アース 意識が変わる 世界が変わる』という本です。「自分とはなにか?」「エゴはどうやってムクムクと立ち上がってくるか?」ということが書かれた自己を見つめる内容です。「私」という言葉が出たときに、「私」と「私」以外の分離が始まるんです。深いですよね(笑)。読むと自分に戻れる気がする本です。
スピリチュアルな内容なんですね。『睡眠メソッド』でも瞑想法を紹介されたり、三橋先生の本には少しスピリチュアルな要素もありますね?
人生をいろんな角度から探求するのが好きなんです。「自分とはなにか?」とか、そういう要素を誰にでも読みやすい形で届けたいなと思って、本書の第5章にまとめました。実は一番読んでほしいところが、5章と「おわりに」なんです。この本は5章がベースになっていて、「眠りが変わると人生も変わる」ということをお伝えしたかったので、そこが伝わると嬉しいです。睡眠の一番の目的は今日の疲れをとることではなく、明日を生きるための積極的な行動です。ほかのページは読み飛ばしてもいいんで(笑)、ぜひ5章を読んでください。