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あなたの街の本屋さん vol.7 川上書店ラスカ店 佐々木康店長

茅ヶ崎の駅ビル「ラスカ」の5階に、地元の皆さんが愛用する川上書店があります。そこで店長として勤務されているのが、「ナショナルチェーンにはない、ちょっとした提案にすぐ対応が出来るお店を目指したい」と語る佐々木康さん。利用者の8割以上が茅ヶ崎市民という本屋さんとして工夫されていること、これからのビジョンについて伺いました。

地元のお客様の期待を裏切らないお店でありつづけたい

最初に茅ヶ崎がどんな町なのか教えてください。

佐々木さん

湘南ということで海のイメージが強いです。実際に海に面しているのはわずかなのですが、夏は遠くから海水浴客が殺到しているので、ほとんどの方が海を連想していますね。あとは、地味に市民の足として自転車の利用が多いです。外から来た人が朝の出勤の光景なんかを見ると、「これだけ自転車が多いのはなぜ?」と驚かれます(笑)。

お店には平日でもたくさんお客様がいらっしゃいますよね。茅ヶ崎周辺にはどのようなお客様が多いと感じますか?

佐々木さん

年齢層でいうとやや高めで、40~60代が多いです。この駅ビルに来店される方の8割以上は茅ヶ崎市民なので、「ふらっと寄ろうか」という感じでお客様も来てくれています。夕方からは、学校帰りの学生さんやサラリーマンの方も増えてきますね。

佐々木さんは川上書店の店長として勤務されてどれくらいですか?

佐々木さん
物腰が柔らかく、ときおり冗談も交えながら丁寧に答えてくれる佐々木さん。ラスカの屋上からは晴れていると海も見えます

9月から店長になったばかりなので1ヵ月ちょっとです。川上書店に来たのが8年前くらいなのですが、川上書店で働いていた知り合いから声をかけてもらったのがきっかけでした。正直に言うと、最初は軽いノリで「とりあえずやってみるか」という気持ちではじめましたね(笑)。

入社して担当されていたジャンルは何でしたか?

佐々木さん

ビジネス書、新書、人文書、あとは辞書を担当してきたのですが、最初は本屋の本がどうやって来ているのか、並んでいるのかは一般のお客として利用していたときは考えたこともなかったので、慣れるまで時間がかかりました。出版業界の専門的な用語も全然分からなかったので、「これは常備です」と言われても、「常備ってなんですか?」という感じで(※常備寄託・出版社により選定構成される売行き良好セット、管理方法)。だから、前の担当の人に一から教えていただいたり、近隣のお店を見に行って勉強したりしました。ビジネス書をやっていたから、こうやってかんき出版さんの本を売ったりするご縁もありましたね。

お客様のご購入が高い書籍や雑誌の種類、ジャンルを教えて下さい。

佐々木さん

雑誌とか文庫とかが多いでが、特に年配の方が多いので、『文藝春秋』を筆頭にオピニオン誌がよく売れています。茅ヶ崎市民は知的レベルが高いので、色々な情勢に気を配ったり、芸術チックのものに関心を示される方が多いです。

よく動く本はなんですか?

佐々木さん

健康書関連ですかね。これは誰でも気にすることですし、地元の方が多いので、ふらっと来て買っていくことが多いです。最近だとアスコムさんの『長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい』が人気で、全国の単店のランキングで川上書店が10位くらいになっていて、健康に対する関心が高いんだなと改めて感じさせられました。

人気が高い健康書関連の書籍。入り口付近のワゴンでも展開していました

書籍がテレビや新聞に出ると売れる印象がありますけど、川上書店はどうですか?

佐々木さん

そうですね……最近は新聞などのパブリシティの効力が落ちてきている気もします。お客様がそれに慣れてきて、新聞に載って当たり前、テレビに出て当たり前、さらにそこから選択していくという形になっているので。ただ、テレビや新聞の力もまだまだ大きいので、版元さんから「こういうのをやります」という情報をもらえば、それに合わせて展開はしています。また、新聞の切り抜きを持ってきて「これはありますか?」というお客様も毎日のようにいますからチェックは欠かせないですね。。

「この本を大きく展開しよう」と決める基準や指針にしていることはなんですか?

佐々木さん

指針というか分かりませんが、かんきさんをはじめ、営業の方がいらしてくれるので、そこで聞ける他の書店の情報が一番強いですね。うちの場合は本部が無いので、「今ここでこういうのが売れています」とか「この仕掛けをしたらこんな結果でした」という営業さんの現場の声は貴重です。

ビジネス系だとどういうジャンルが人気でしょうか?

佐々木さん

ビジネス街とかオフィスがあまり近くにないので、まんべんなく売れますが、動くのは不動産関係の本です。茅ヶ崎は土地を持っている方が多いので、相続や投資関連、アパートとかマンション経営の本なんかはよく動いていますね。

かんき出版の商品で一番印象に残っている本はなんですか?

佐々木さん
平日でも人の多い店内。佐々木さんのおっしゃる通り、年配の方が文芸雑誌を手に取る姿が目立ちました。

最近だと『プロフェッショナルマネジャーの仕事はたった1つ』です。あれはかんきさんで全国的にかなり売れていろんな書店で多面展開をされたと思うのですが、実はうちの書店は他面展開しなかったんですね。でも、結果的には直近1年の中では『なぜ一流の男の腹は出ていないのか?』に次いで2番目の売れ行きをしめしました。売ろうとすると、「仕掛けなきゃ」「多面展開しなきゃ」となりますけど、物理的なスペースの制限があります。ですが、多面展開せずにビジネスの1面だけであれだけ売れたことで、〝良い本なら在庫を切らさないかぎり、仕掛けなくてもちゃんと売れる〟と再認識した本ですね。

佐々木さんご自身がお好きな本はなんですか?

佐々木さん

歴史が好きなので、その中でも小説ではなく評論本や考証本が好きですね。中国の歴史が好きなので、守屋洋さんの本をよく読んでいました。日本の歴史も好きで、子供のころは『三国志』とかもハマって、横山光輝さんの全60巻を買い揃えましたね。まだ中学生くらいの頃で大人買いは出来なかったので、「今日おこづかいをもらったから今月は5冊だ!」や「今月は少なかったから3冊」とちまちま買って全部そろえました(笑)。

お店の中で「ここを見てほしい」というコーナーはどこですか?

佐々木さん

ありきたりなのですが、全部を見てほしいです。先程も言った通り、うちの場合は本部というものが無いので、各担当の裁量に完全に任せてあります。本部指示があると画一的になってしまうこともありますが、うちの場合は各担当の色がものすごく出ているので、良い面、悪い面もあるとは思うのですが、そこを含めて見てほしいです。

最後に川上書店のこれからのビジョンについて教えてください。

佐々木さん

茅ヶ崎市民を相手に商売をするのは変わらないので、地元のお客様の期待を裏切らないお店でありつづけたいです。ナショナルチェーンにはない、ちょっとした提案にすぐ対応が出来るお店を目指したいですね。今はインターネットがこれだけ発達していて、本はコンビニやインターネットで買えますが、それでもあえてうちのお店に来てくれるという「何か」を提供できるお店でありつづけたいと思っています。


川上書店 ラスカ店

営業時間
10:00~22:00

〒253-0043
神奈川県茅ヶ崎市元町1-1
TEL 0467-87-3827

店舗外観

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