読者と著者の往復書簡

vol.1 『マンガでよくわかる ディズニーのすごい仕組み』など
大住力さん

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――大住先生は、弊社より『ディズニーの現場力』をはじめとする書籍3冊とDVDを出されています。

以前に他社で一冊だけ本を出していたのですが、かんき出版では、ビジネス書の形や作り方などを色々とご指導いただいてとても勉強になりました。おかげさまで、どの本も読者の方に「すごくわかりやすい」と言っていただいています。
ディズニーの最強マニュアル』は、担当編集さんの狙いどおり、企業の方や人事部の方などに多く読まれていて、『マンガでよくわかる ディズニーのすごい仕組み』『ディズニーの現場力』は、業種問わずディズニーの仕組みを知りたい方々に読んでいただいているようです。

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『マンガでよくわかる ディズニーのすごい仕組み』より。主人公の伊東さやかが、大住さんをモデルにした秋山徹とともにファミリーレストランをディズニーの最強メソッドで立て直していく物語。過去に出版した『ディズニーの最強マニュアル』をマンガ化したもの。

 

担当編集の重村さんには、本当に感謝しているんです。本が出た時にポップなども自分でデザインしてくれたり書店を回ってくれたりして、あれはすごく嬉しかったですね。本とは関係のないイベントにも来てくれたりして、仕事を超えたお付き合いをさせていただいています。
かんき出版さんでは、研修の講師も務めせていただいていますが、最近では、ディズニーの仕組みと、世の中にあるビジネス論やビジネススキーム、学説などをリンクさせる内容が好評をいただいています。たとえば、「“サービス・プロフィット・チェーン”は、ディズニーにはこう当てはまりますね」という講義をすると、皆さん「なるほど」と納得されるんです。

――読者からのハガキの感想をお読みになって、どう感じられましたか?

「本を読んで初めて知りました」といってくださる方が多く、当たり前のことですが、「やっぱり本って日本全国に届くんだな」と強く感じましたね。とてもありがたく思っています。
最近は、女子刑務所や少年院にも本も置いてもらい講演活動もしているんですが、そういった場所でも反響をいただいているんですよ。
少年院では、主に、大きな挫折や裏切りも経験しながら、31年かけてディズニーランドを築いたウォルト・ディズニーの生涯についてお話ししています。人生は、いつ突然に変わるかわからない。あなたたちはまだ31年も生きていないんだから、これから諦めずに頑張ってほしい、と。
刑務所は高齢化が進んでいますので、ディズニーの想いやアトラクションのメッセージなどをお話しすると、「人ってそうよね」「社会ってこうならなきゃダメよね」と共感してくださいます。出所された方が、我が社で働きたいと直接いらっしゃることもありました。

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読者ハガキを選び、迷いなく返事を書く大住さん。

 

――お返事を書く1枚を選んでいただきましたが、この方を選んだ理由を教えていただけますか?

ディズニーの最強マニュアル』を買ってくださり、「職場との人間関係に活かしたい」と感想をくださったこの方を選ばせていただきました。
シンプルな言葉ですが、まさにこれはディズニーの本質を突いていると感じます。たとえば、ウォルト・ディズニーは、当初ウサギのキャラクターを描いていたのだけれど、人に裏切られ、著作権を取られた後に、あまり良いイメージのない“ネズミ”をモチーフとして選んだ。そんなところにもディズニーの人間臭さを感じたりします。
また、僕の大好きなディズニーの言葉に「人がどんなに素晴らしいワンダフルワールドを作っても、最後にそれを現実にするのは“人”だ」といったものがあるのですが、人で悩み、人で喜び、人で悲しみ、人で笑顔になるということがディズニーの本質なのだと思っています。
多くの人が人間関係で仕事を辞めていくという昨今、人間関係で悩んでいる人々にも、本書が役立てばいいなと思います。


著作について

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著書について
大住 力
1965年生まれ。「ソコリキ教育研究所」所長。公益社団法人「難病の子どもとその家族へ夢を」代表。
大学卒業後、1990年株式会社オリエンタルランド入社。ディズニーフィロソフィーがいちばん浸透していると言われる、ゼネラルサービス部カストーディアル課に配属される。1993年、新パーク事業部に異動。「東京ディズニーシー」「イクスピアリ」など、ビッグプロジェクトの立ち上げや運営、マネジメントに携わる。その後、人材教育、経営企画など、20年間ディズニーランドの最前線から中枢までさまざまな仕事を経験し、本書のテーマである、ディズニーランドを動かす仕組みの数々を学ぶ。また、社内で「ウォルト・ディズニー研究会」を立ち上げ、現場スタッフのモチベーションアップや、ディズニー哲学の浸透に尽力する。
2009年同社を退社。「ディズニーのやり方は、あらゆる企業や人に活用できる。けっして特別なものではない」という理念のもと、コンサルティングや人材教育を行うために、2012年「ソコリキ教育研究所」を設立。大手企業から中小企業、学校、病院など100社以上に、ディズニー流のマニュアルや仕組みを導入するためのコンサルティングや、マネジメント、ホスピタリティ、コミュニケーション、組織活性、理念浸透などをテーマとした研修や講演を提供。その活動が注目され、ハウステンボス株式会社の再生事業に顧問として参画。富山大学、東京家政大学では非常勤講師を務めるなど幅広く活躍している。
一方、公益社団法人「難病の子どもとその家族へ夢を」の代表理事も務め、難病と闘う子どもとその家族への支援にも力を注いでいる。著書に『ディズニーの現場力』(小社)、『一生の仕事が見つかるディズニーの教え』(日経BP社)などがある。


当選された方には、近日メッセージ入り色紙を発送いたします。

次回の更新は11月を予定しています。お楽しみに!