読者と著者の往復書簡

vol.3 『人生が大きく変わるアドラー心理学入門』など岩井俊憲さん

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――先生は、かんき出版から『アドラー流一瞬で心をひらく聴き方』『人生が大きく変わるアドラー心理学入門』の2冊を出してくださっています。

岩井さん 『人生が大きく変わるアドラー心理学入門』は、私どもが行っている「アドラー心理学ベーシックコース」という講座の副読本にもなり得るもので、アドラー心理学の全体像についてこれほど易しく書かれた本はないと自負しています。
アドラー流一瞬で心をひらく聴き方』は、「話し上手になりたい」という人が多いのですが、実はコミュニケーションにおいては “聴くこと”が大事なのだということを解説しています。さらに、「話す」と「聴く」は表裏一体なので、本の3分の1ほどは「聴く」をベースとした話し方、伝え方も盛り込みました。どちらも、担当編集者さんたちの力量で、とても分かりやすいものに仕上げてくださいました。イラストや図などもふんだんに盛り込み、非常に読者目線で作ってくださったと思います。

%e3%82%a2%e3%83%89%e3%83%a9%e3%83%bc2016難しいイメージのある心理学をわかりやすく展開した本文デザイン。『人生が大きく変わるアドラー心理学入門』より。

かんきさんでびっくりしたのが、読者からの問い合わせがあるとすぐに対応し、わかりにくいと指摘された部分などが重版時に修正されていること。完全に読者目線なんですね。素晴らしいことだと思います。

――改めて、読者の方々の感想をお読みになっていかがですか?

岩井さん 本当にありがたいです。『人生が大きく変わるアドラー心理学入門』の「親子・家族関係の心理学」の中で触れた「誕生順位による性格特性」が面白かったという感想もありますね。

この誕生順位について、ある個別学習塾が興味を持ち、独自に調査したそうなんです。すると、たとえばわからないことがあった場合、第一子は「できるだけ自分で頑張る」、中間子は「周りに訊く」、末子は「わからないな~」と態度で示す、大人を使うのが上手な単独子は「先生に直接訊く」という傾向がみられたそうなんですね。やはり家族というのは最初の小さなコミュニティですから、多少なりとも性格形成にも影響を与えるものなのだと再認識しました。

――お返事の色紙を贈られる方を選んでいただきました。その理由をお教えください。

岩井さん まず「『人生が大きく変わるアドラー心理学入門』を、小6と高2の子どもを含め、家族全員で読みました」と感想をくださった方に。家族で共通認識ができることによって、家族の価値が一貫し、協力的、平等対等な雰囲気になることはとても望ましいことですよね。こういう家族で育った子供たちは将来、その価値観を継承して新たによい家族を形成できると思います。

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「普段のセミナーでもアンケートを書いてもらいますが、読者カードはまったく別物ですね。嬉しいなぁ」と岩井先生。

それから、『アドラー流一瞬で心をひらく聴き方』を読んで「傾聴は高齢者の方々との大切なツールのひとつと考えています。友人にも薦めたいです」と書いてくださった方にも。まったく同感ですね。傾聴ボランティアという言葉もありますが、お年寄りの方は、自分の過去を語りたい。たとえ同じ話を繰り返したとしても、子守唄やおとぎ話と同じようなものと捉えて、その物語を何度も聴いてあげることが大切かなと思います。


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著者について
岩井 俊憲

有限会社ヒューマン・ギルド代表取締役。アドラー心理学カウンセリング指導者、中小企業診断士。1947年栃木県生まれ。1970年早稲田大学商学部卒業。
外資系企業の管理職などを経て、1985年有限会社ヒューマン・ギルドを設立し、代表取締役に就任。
ヒューマン・ギルドでは、アドラー心理学を中心に据えたカウンセリングや心理学の各種講座を行うほか、企業や自治体を中心に、アドラー心理学を基盤とした勇気づけやリーダーシップ、コミュニケーションの研修などを実施している。研修の評判は非常に高く、経営者、企業のリーダー・管理職、会社員、学生、主婦まで幅広い層の人々から人気を博している。
著書に『マンガでやさしくわかるアドラー心理学』シリーズ(日本能率協会マネジメントセンター)、『人生が大きく変わるアドラー心理学入門』(かんき出版)、監修書に『アドラー流たった1分で伝わる言い方』『マンガでよくわかるアドラー流子育て』(ともにかんき出版)など、ベストセラー・ロングセラーが多数ある。


当選された方には、近日メッセージ入り色紙を発送いたします。

次回の更新は1月を予定しています。お楽しみに!