読者と著者の往復書簡

vol.10『教える技術』など 石田淳さん
石田淳さん

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かんき出版創立40周年企画 読者と著者の往復書簡

本を買うと、中に読者カードが挟み込まれているのをご存じですか? 感想を書いて、郵便ポストへ投函したことがある、という方は少ないかと思います。ありがたいことにかんき出版には毎週多くの読者ハガキが届きます。企画の参考にさせていただいたり、反省材料になったり、普段は編集者が読んで保管しています。著者が読む機会はほとんどありません。一方通行になっている読者ハガキの声を著者に届けたい。そんな想いを「読者と著者の往復書簡」という企画にしました。
これまでに届いたハガキの中から、特に感想の多かった著者に返事を書いてもらう。全部に返信することは難しいけれど、何通かならできるかも。そう思い、著者にハガキの選定からお願いし、「この人に返事を書きたい」と感じた方に返事を書いてもらいました。著者からの返事を確認できるのは、ハガキを書いたあなただけです。

40周年記念企画の最後は、シリーズ累計33万部を突破した『教える技術』著者の石田淳さんが登場。翻訳本が台湾でビジネスジャンル1位を獲得し、2016の年間ベストセラーにも選出されました。

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―『行動科学を使ってできる人が育つ! 教える技術』をはじめ、弊社からは6冊を出版され、シリーズ33万部の大ヒットとなっています。アメリカの行動分析学・行動心理学を日本人に適した「行動科学マネジメント」としてまとめられた内容は、非常に新しいものでした。

石田さん
1冊目は2011年に発行しているのですが、「精神論」ではなく「行動」に焦点を当てて、「いつ・誰が・どこで」行っても同じように成果が出るこの指導メソッドは非常に反響がありました。
「人それぞれ教え方というものは全然違うものだと思っていた」「教え方は、技術として学べるものだと知って驚いた」という声がとても多かったですね。
今回、読者からいただいたハガキを拝見しても、やはり「どう教えればいいか悩んでいた」という感想が多いですね。考えてみると、私たちはそもそも「教え方」を教わったことなどほとんどないのではないでしょうか。それなのに急に部下ができたりリーダーになるなど人の指導や育成をする立場になっても、何をどうやって教えればいいかわからない。そんな困っている人々に向けて作りました。

 

教える技術

『マンガでよくわかる 教える技術』より。主人公はある男性と出会い、行動科学を学んでいく
ストーリー。男性のモデルは石田先生。

 

―指導者だけでなく、一般のビジネスパーソンやアルバイター、子育て中の人まで、あらゆる人が使えるメソッドですね。このシリーズを作る上で心がけられたことなどはありますか?

石田さん
とにかく「わかりやすい」ということを意識して作りました。行動科学についての本はほかにも出していたのですが、担当編集の谷内さんのもっと「わかりやすい」本をつくりたいというアイデアからできた本なんです。
内容を平易な言葉で説明するのはもちろん、1項目を見開きで説明してどこでも読みたいところから読める構成にするなど、工夫をしました。

―日本国内だけでなく、台湾でもベストセラーとなり、このたびマンガ版も翻訳されました。韓国でもマンガ版が出版されています。7月には台湾でも講演をされました。

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台湾での講演風景。大入満員! 『これ身につけないとあなた仕事人として
死んじゃうよ』という超訳タイトルで販売されています。

石田さん
昨年度の誠品書店のランキングトップ10入りをきっかけに講演が実現しました。おかげさまで200人もの人が集まり、 大盛況に終わりました。 参加者には台中の市長や大手経済誌の副社長など 多彩なバックグラウンドの人が来ていて、 行動科学マネジメントに対する関心の高さが伺えましたね。
特にアジアでは、この行動科学の観点から分析した「教え方」の技術という内容はニーズがあるようです。韓国で講演した際には「ここまで再現性のある教え方は韓国にもなかった」と言われました。

―人気シリーズだけに、感想ハガキもたくさん届いています。この中から何通か選んでいただきお返事の色紙をお贈りしたいと思います。

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石田さん

嬉しいですね。では1通目は、マンガ版を購入くださり「ビジネス書はちょっとわかりづらいものだが、本書は漫画を使い理解しやすかった」という感想をくださった53歳の男性に。マンガ版を読んでから書籍を読んだ、という方もとても多いので、この方にも次はぜひ書籍を手に取っていただければと思います。

もう1通は、「リーダーとしてもっと成長したいと思い購入。上司にもこの本を読んでほしいと思った」と“チーム編”を読んで感想をくださった28歳の男性に。「上司に読んでほしい」という声もとてもたくさんいただきます。嬉しいコメントですね。皆さん、ありがとうございました。


著作はこちら
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著者について
石田淳(いしだじゅん)
社団法人行動科学マネジメント研究所所長
株式会社ウィルPMインターナショナル代表取締役社長兼最高責任者
米国行動分析学会(ABAI)会員。日本行動分析学会会員。日本の行動科学(分析)マネジメントの第一人者。アメリカのビジネス界で絶大な成果を上げる人間の行動を科学的に分析する行動分析学、行動心理学を学び、帰国後、日本人に適したものに独自の手法でアレンジし「行動科学マネジメント」として展開させる。
精神論とは一切関係なく、行動に焦点をあてた科学的で実用的なマネジメント手法は、短期間で8割の「できない人」を「できる人」に変えると企業経営者や現場のリーダー層から絶大な支持を集める。現在は、日本全国の人材育成、組織活性化に悩む企業のコンサルティングをはじめ、セミナーや社内研修なども行い、ビジネスだけでなく教育、スポーツの現場でも活躍している。日経BP「課長塾」の講師でもある。
主な著書に12万部のベストセラーとなった『教える技術』をはじめ、『〈チーム編〉教える技術』、大判の『〈図解〉教える技術』(すべて小社)、『課長塾続ける課 行動科学マネジメント実践ワークブック』(日経BPムック)などの組織マネジメント本の他に、セルフマネジメントの指南書『「続ける」技術』(フォレスト出版)、教育書では『子どもの続ける力』(小社)など多数ある。趣味はマラソンとトライアスロン。


当選された方には、近日メッセージ入り色紙を発送いたします。
「読者と著者の往復書簡」の更新は最後となりますが、かんき出版では引き続き読者ハガキをお待ちしております。著者も私たちも励みになりますので、叱咤激励のお声をぜひお寄せください。