学ぶ。みがく。変わる。
HOME 2020年のわたし

2020年のわたし「自由に大きく羽ばたいて、新しい自分を見つけたい」

2014年、宝塚雪組トップスターの座から退いた壮一帆さん。それ以降、ゆっくりとしたペースで活動していましたが、今年4月のミュージカル『エドウィン・ドルードの謎』で舞台に本格復帰を果たします。壮さんが今考えていること、そして未来像についてお聞きしました。

文/大山くまお 撮影/榊智朗 掲載日:2016/02/10

壮さんは2014年8月に宝塚歌劇団を退団されています。雪組トップスターに就任してから2年、まさに活躍のさなかだったので驚かれたファンの方も多いと思いますが、さしつかえなければ退団の理由を教えていただけますか?

壮さん

退団はトップになると伺った瞬間から考えていました。最高の瞬間をお見せできるのは、あと3作ぐらいかなって。期間にすると1年半ぐらいですね。トップスターのほとんどの方は、このような事を考えて来られたのではないでしょうか。

宝塚のトップスターという役割は、ちょっと僕たちには計り知れない重責だと思います。実際にはいかがでしたでしょう?

壮さん

今振り返れば「すごいことやっていたなぁ」と思います(笑)。トップスターは何をしても主役なんですよ。どんなに有名な俳優さんや女優さんでも、出演する映画やドラマですべて主役を演じられるわけではないですよね。でも、宝塚のトップスターは、宝塚大劇場の公演はもちろん、全国ツアーや大劇場以外の公演でもすべて主役。稽古場でもトップスターを中心に動いていますし、作品もトップ次第でつくられています。365日24時間ずっとトップスターである責任感と緊張感がありました。オフの時間にお茶を一杯飲むのも、明日に向けてより良い舞台をつくるために飲んでいました。すべてのことがトップスターとしての責任感につながっていましたね。

壮さんが宝塚に在籍されていた頃、セーブされていたことがたくさんあったとお聞きしています。特に、プライベートも含めて一切スカートを履かなかったことが知られていますが、もうスカートは解禁されたのでしょうか?

壮さん

あははは! プライベートでは買う勇気も履く勇気もなかったんですけど、お仕事をきっかけにスカートデビューできました。あるトークイベントがありまして、たまたまスタイリストさんが用意して下さったのがワンピースだったんです。ステージに出たら、ファンの方たちから悲鳴が上がりましたね(笑)。あと、お酒を解禁しました! 関西から東京に引っ越してきて、いろいろな人たちと出会いながらお酒を楽しむことができるようになったのが、とても嬉しいです。東京は美味しいお店が遅くまで開いているのが素晴らしい!(笑)

スカート以外に解禁したのがスポーツ。スキーとスケートが大好き、一方、苦手なのがゴルフ。「小さなボールの球技が苦手。自分との戦いというのもイヤ。それはお芝居で十分!(笑)」

今はまさに新しい出会いがどんどん広がっている時期なんですね。

壮さん

そうですね。いろいろな人とお会いし、いろいろな舞台や美術館を見に行き、東京って都会なんだなぁ! って思います(笑)。全国からチャンスをつかむために人が集まってきて、自分の好きなことをする。宝塚の下級生の頃に行ったニューヨークと同じ空気を感じます。それがすごく気持ち良いんです。新幹線や飛行機で東京につくと、「ああ、自由だな」って思うんですよ。

好奇心を失わず、いつでもワクワクしていたい

4月4日より始まるミュージカル「エドウィン・ドルードの謎」は、壮さんの本格的な舞台への復帰作であり、男役を演じることでも注目を集めると思いますが、英国の国民的作家であるチャールズ・ディケンズ原作、由緒正しき東宝ミュージカルで、共演者もミュージカルの強者ばかり、どんなしっかりした舞台と思いきや……。

壮さん

そこに台本・演出の福田雄一さんというすごいスパイスがかかるんです!(笑) 台本を読んでいても、「これ、どうなるんだろう?」と思ってしまうところがたくさんあって、すごく面白い(笑)。これだけ材料が揃っていて、福田さんという素晴らしい料理人がいらっしゃる訳ですから、あとは役者次第ですね。あまり頭で考えず、感じながらやっていこうと思っています。

あと、原作が未完の小説ということで、犯人は観客が決めるそうですね。

壮さん

そうなんです! 今回の舞台は客席参加型なんですよ。そこが最大のポイントですね。お客様の反応で役者の演じ方もどんどん変わっていくと思うので、それも楽しみです。東宝もチャレンジングな舞台をやりますよね!(笑) でも、ある意味、私らしいとも思っています。宝塚時代にやってきた19年の経験を活かしながら、またゼロからつくりあげていったとき、どんな女優になっていくのかが自分でも楽しみです。

宝塚時代は楽屋でいろいろなイタズラを仕掛けていたそう。「トップがいつでもピリピリしていてはダメですからね。公演の真っ最中に出番待ちの人たちと楽屋でエアロビをしたのもいい思い出です」

4年後の2020年には、どのような自分になっていたいですか? 壮さんの未来予想図をお聞かせください。

壮さん

変わらず、いろいろなことにワクワクしていたいですね。私のささやかな理想があって、学生の頃に個人的に英語を教えていただいていた先生が80歳を超えたおばあちゃんだったんですけど、若い人たちともちゃんと話ができる方だったんです。いつだって探究心と好奇心があって、新鮮に物事を受け止められる方で、「私もこんなおばあちゃんになりたい!」とすごく思いました。「今の若い人は~」とか「世代が違う」と思うのではなく、全部自分次第なんです。4年後、たとえ私が病気になっていたとしても、何かに興味を持ってワクワクしていたいですし、いつまでも魅力的でいたいと思います。

では最後に、今後の活動への意気込みを教えてください。

壮さん

宝塚を退団して壮一帆という名前で芸事をすると決めたとき、すごく自由だな、と感じました。今は、その瞬間、その瞬間の壮一帆が最大限に魅力を発揮するにはどうすればいいのかを、じっくり考えています。「こういう役者がいるんだ。面白いな、魅力的だな」とご覧になる側の皆様に思っていただくために、自分自身を充実させていくことが大切。焦らず、アンテナを張って、前を向いて。舞台はもちろん、映画にもテレビにも挑戦したいですし、ナレーションなんかもいいですね。必要とされるなら、どんなところにも出かけていきたい。自由に羽ばたいて、大いに暴れて、新しい自分に出会えることを楽しみにしています!

壮一帆さんの推薦図書

『偶然完全 勝新太郎伝』(講談社+α文庫)
著/田崎健太

『座頭市』シリーズなどで知られる伝説のスター、勝新太郎。芝居にすべてを注ぎ込んだ人物として、多くの同業者から尊敬を集める存在である。本書は、そんな勝についての決定版とも言えるノンフィクションだ。「若手の俳優さんを自分の車のジャガーに乗せて、突然電柱にドーン! とぶつけるんです。若手の俳優さんが“えっ!”と驚くと、“今の反応を忘れるな”と(笑)。これが演技のレッスンなんです。今こんな人、絶対にいませんよね! 本当にすごいです。感動しました」。自分も役者として勝新太郎の演技論に多大な刺激を受けたという。「すごく芸事に対して純粋な方ですよね。今の自分はどこまで純粋になれているのか、すごく考えながら読みました。勝新さんは自分にとっての理想の存在です」

INFORMATION

ミュージカル「エドウィン・ドルードの謎」

前代未聞!? 結末は288通り!犯人はお客様が決める! トニー賞5部門受賞!観客参加型異色のコメディ・ミュージカル。2016年4月4日~4月25日シアタークリエにて上演決定。4月以降は全国巡回公演もあり。詳細はHPへ。

http://www.tohostage.com/edwin/

この記事を読んだ人にオススメしたい、かんき出版の1冊

宝塚時代ではリーダーシップを発揮することの多かった壮さん。真矢ミキさんがトップだったときに真矢さんから「壮ちゃん」と呼ばれたことがなによりも嬉しかったとか。「自分がトップになったときは、下級生へ積極的に声をかけるようにしました」と壮さん。リーダーとしての振る舞いやチームで働くことの大切さを知るには、本書もオススメです。

ショーペンハウアー 自分を救う幸福論
シンプルだけれど重要なリーダーの仕事
守屋智敬 /著 
定価 1,512円(税込)
判型 46判
体裁 並製
頁数 192頁
ISBN 978-4-7612-7120-6
発行日 2015年10月19日
書籍ページへ

バックナンバー

  • ダウンロードできない方へ
  • かんき出版40周年特設サイト
  • ゲラ読み!
  • メディア掲載情報
  • かんき出版チャンネル
  • かんきに寄せる言葉
  • かんき出版の電子書籍
  • NOをYESに変える接待レストラン
  • あなたの街の本屋さん
  • 著者インタビュー
  • 好評!!ロングセラーシリーズ
  • 特設サイト