1月31日に金子雄太郎氏に登壇いただき、「リモート・ハイブリッド時代のプロジェクトマネジメント研修」と題した人事・研修ご担当者向け無料デモセミナーを開催しました。コロナ禍でリモートワークが急速に普及し、プロジェクトも従来のやり方ではスムーズに進行しません。リモートワークやハイブリッドワークに対応したプロジェクトマネジメントの方法をお伝えしました。セミナーの一部をご紹介します。
リモート環境下でのプロジェクトマネジメントにおける課題
リモート環境において、「間接的な情報が得づらい」「近くにいないのでいつ声をかけてよいかわからない」「雑談がしづらい」「プロセスが見えにくい」「メンバー個々のセルフマネジメントに委ねられる」などの課題があります。コミュニケーションの情報伝達の手段は、対面や電話ではなく、メールやチャットが主流になりました。チャットでは、アイコンや文字で感情やニュアンスを出したり、頻度やタイミングは気にしないで相手に任せたりすることができます。しかし、デメリットとして感情・体調・状況はわかりづらいので、よく観察するなど工夫が必要です。
従来のプロジェクトマネジメントは、スケジューリング、WBSとタスクの切り出し方が大切でした。コロナ禍でももちろん重要ですが、「予測型」から「適応型」にルールが変わりました。事前の情報と調査と経験から予測することが難しくなり、今起きていることに適切に対処をするマネジメントに変えていく必要があります。
コミュニケーションは量と質。両方増やすしかありませんが、マネージャーのコミュニケーションコストが増えてしまいます。マネージャーは、雑談用のチャンネル/スレッドの活用、先回りして困っている人に適切な知恵と手段を提供するなど工夫し、マネージャー自身の作業工程を減らし、なるべくプレイングマネージャーにならないようにしましょう。
PMBOKとコミュニケーション
PMBOKは、昨年第7版が出ました。予測型アプローチから適応型アプローチに変わり、ウォーターフォールからアジャイルに適した考え方になりました。アウトプットのデリバリーではなく、価値のデリバリー重視、プロセスややり方ではなく、原則ベースになっています。
プロジェクトマネージャーに求められるもの
悪いプロマネは、「結果重視でプロセスを見ていない」「マイクロマネジメント」「感情マネジメントができていない」などです。一方で良いプロマネは、「プロセスを見る」「他者をコントロールしようとしない」「チームとしてのあり方・動き方を定義する」「目的(目標、ゴール)の設定する」「要望・要求・要件の違いが分かる」などの特徴があります。
チームのスキル面では、ハイスキル人材の採用が難しいので、プロジェクト内で育てることが前提です。多様性は高くとも、個々人の性格や個性は違いますが、チームとしての価値観は揃えましょう。
チームマネジメントは、トップダウンではなく、協調/共感を重視します。カオス・緊急事態のときは、トップダウンが必要です。適応型なので、なるべくみんなで話し合うのが前提です。しかし、朝の方針が夕方には変わってしまうこともありますので、変更する際は躊躇せずに、スピーディーに行いましょう。リーダーのスタイルは時代と共に変わりますが、意思判断決定をすることは昔も今も変わりません。
コミュニケーションと対話
これまでは同質性・均質性が重要でしたが、いまは多様性が前提です。メンバーのモチベーションはコントロールできませんが、どのような価値基準でやる気が上がるかは把握しておきましょう。相手の感情にアプローチするには、論理による説得ではなく、傾聴した上で、共感することが有効です。
コミュニケーションを向上するために、傾聴力・共感力・質問力を向上させましょう。まずは、肯定ファースト。いきなり相手を否定してはいけません。Yes,Butでまずは肯定してから、否定します。質問する際は、「土台作り」「切り込む(聞く)」「深堀り/広げる(聴く) 横か縦か」「具体化(訊く)」のステップに分解すると、相手から情報を聞き出し、スムーズにプロジェクトが進行します。