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2021.06.10

【実施報告】新入社員が定着し、活躍するために!『OJTトレーナー力向上』

井上 洋市朗氏
株式会社カイラボ 代表取締役

6月10日(木)に株式会社カイラボ 代表取締役の井上 洋市朗氏にご登壇いただき、「新入社員が定着し、活躍するために!『OJTトレーナー力向上』」と題したオンライン無料デモセミナーを実施しました。カイラボは、新卒入社後3年以内で辞めた若者100人のインタビューをまとめた「早期離職白書」を発行。早期離職対策・定着率向上に特化した研修会社です。当セミナーの一部をご紹介します。

データで見る2021新入社員の傾向

マイナビの就活生意識調査によると、就業観は「楽しく働きたい」、行きたくない会社は「ノルマのきつそうな会社」が1位ですが、これは例年同じ結果です。企業選びの基準は「安定している会社」が1位で、「自分のやりたい仕事ができる」が2位です。これはこれまでと変わりました。2019年までは「自分のやりたい仕事ができる」が1位でしたので、最近は「若手は安定志向」と言われていることが反映されているようです。しかし、「安定」の基準が変わっています。これまでの「安定」の基準は、「売り上げが高い」「社員数が多い」「歴史がある」「定年まで勤められる」という会社でしたが、最近は「成長率が高い」「新事業をどんどん立ち上げる」「若くて勢いがある」「転職市場での価値がある」「自分が早く成長できる」という意味で「安定」を捉えている人も増えています。

早期離職の実態

過去20年間の大卒者の3年以内の離職率はほぼ横ばい、高卒者は2000年をピークに減少傾向にあります。「最近の若い人は昔よりも辞めている」わけではありません。
事業規模別に見ると、従業員数が1,000人以上の事業所では、早期離職者が上昇傾向にあります。
カイラボで発行している早期離職白書で、早期離職者にインタビューを行ったところ、「マーケティング部門なのに、データ分析は意味がないと言われた」「経営者の理念に共感して就職したが、“お飾りの理念”だった」「会社の30歳くらいの先輩を見ても、心の底からこうなりたいと思う人がいない」などの声を聞きました。

以上のことから、会社において自分の存在が認められているかという「存在承認」、仕事を通じて社会・職場で貢献できていると本人が感じている「貢献実感」、今の仕事を続けることで将来なりたい自分になれる予感がある「成長予感」が満たされていないと早期離職に繋がることが分かります。
もし、早期離職が多いという課題があるのであれば、その原因は本人ではなく、会社側にある可能性がありますので、上司やOJT担当者など若手社員の育成に携わる人のスキル・マインドの向上や、新入社員との関係性のアップデートが求められます。

OJTトレーナー力向上講座デモンストレーション

時代変化に伴い、人材育成の在り方が変化し、離職対策のメインは企業と教育する側が対象となりました。人材育成は相性ではなくスキルなので、努力で伸ばすことができます。リーダーのアップデートすべき要素は、関係性、マインド、スキルがあります。今回のデモセミナーでは、傾聴力・共感力・目標設定力・フィードバック力の4つのスキル強化について説明します。

そもそもOJTは何なのかを説明します。OJTの原点は、「Show」「Tell」「Do」「Check」のプロセスから成る4段階職業指導法です。
OJTの基本的な進め方は、やってみせて、説明して、やらせてみせ、確認・補足するという流れです。

成長のための心理的な領域として、コンフォートゾーン/ストレッチゾーン/パニックゾーンがあります。適度なチャレンジで成長しやすいのはストレッチゾーンです。傾聴と共感で新入社員がストレッチゾーンに誘導します。傾聴の際は、共感的理解、無条件の肯定的関心、自己一致に意識しましょう。共感には、相手の視点に立って状況を把握する認知的共感と、相手の感情を自分のことのように感じる感情的共感があります。相手が自分に対して何を求めているのかを感じてください。「常識でしょ/当たり前でしょ」「前にも言ったよね」「まだ終わらないの/仕事遅いね」などの言葉は、若手社員がやる気をなくすのでNGです。

次は目標設定力についてお話しします。新入社員を育成する際に計画を立てることは重要です。OJTで、相性が悪い、時間がない、スキルが足りない、丸投げしているなどの問題があります。計画を立てていると、適した人材に依頼でき、育成時間を配分でき、必要なスキルを先取りして学ばせることができます。しかし、業務が定型化していないから育成計画を立てられないという意見もあります。その際は、高頻度で起こる業務や難易度の低い業務を早めに教えるよう、計画を考えてください。

最後はフィードバック力です。若手へのフィードバックにおいて、価値観が多様化し若手の考えていることが分からない、ハラスメントと捉えられてしまうと困る、そもそも業務が多忙で育成する時間がないなど阻害要因があります。フィードバックは、事実と情報の通知と修正・立て直し。このときに重要なことは方針や判断基準をつくることです。基準をつくり、「この基準に基づいて行った行動は?」「基準に反してしまったと思う行動は?」と振り返るのがおすすめです。カイラボでは、無断欠席・嘘をつくとレッドカード、わからないことを聞かないとイエローカード、考えるだけで行動しないとファール、新しいことに挑戦するとグリーンカードといったように行動基準をつくっています。

ここまで、スキルアップの話をしましたが、スキルよりも大切なことは、リーダー自身が自分の言葉で未来を語ることです。仕事で何を成し遂げたいか?どんな会社にしたいか?そのための覚悟はあるか?そのための行動をはじめているか?問いてみてください。

ご参加者の声

・必要なスキルとして、傾聴力や共感力が挙げられることは理解していたものの、その中にもいろいろな種類があるということを改めて理解した。これまで傾聴・共感しているようで出来ていないことがほとんどだったように思うので、自分のチームではそれを実践したい。
・傾聴・共感を社内のOJT担当者にもわかっていただく機会を作っていきたいと感じた。
・新卒の身近にいる先輩や指導する人の存在の大切さを感じた。今後の育成に取り入れ行きたい。
・若手社員であるチューターが指導にあたる際の新人との接し方で留意すべき事項が、具体的で非常に参考になった。
・ティーチングのトレーニングに活用できる内容だった。
・ケーススタディで意見交換することが、有意義な時間になることを改めて実感した。
・新卒傾向をデータでは見るものの実際に他の会社の実情等を聞く機会が無かったので、とても貴重な時間だった。
・OJTトレーナーの傾聴や共感は、新卒へのフォロー時にも求められている大切なことなので活用します。
・早期離職の実態について、入社3年目以内の退職率に関してはここ20年そんなに変わっていないということ、高卒者については辞めにくくなっているということにも驚いた。昨年より今年と年々根性の無い、わがままな新卒が増えてきているなどと思ったが、会社側の原因から目を逸らし新卒者にのみ原因があると思い込んでいた。気づきを得られたよい講義だった。

講師プロフィール

井上 洋市朗 (いのうえよういちろう)

株式会社カイラボ 代表取締役
一般社団法人プラス・ハンディキャップ 理事

大学卒業後、(株)日本能率協会コンサルティングにて企業の業務効率化などに従事。ストレスが原因で入社2年で退職。
2011年に社会人教育のベンチャー企業でマネージャーを務める。
2012年株式会社カイラボを設立。新卒入社後3年以内で辞めた若者100人インタビューをおこない、その内容をまとめた「早期離職白書」を発行。
現在は多くの企業の若手社員定着率向上支援を行うほか、
講演、管理職・OJT担当者向け研修、採用コンサルティングなどを行っている。

https://kailabo.com/
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