学ぶ。みがく。変わる。
HOME セミナー・イベント開催レポート 【実施報告】D&I推進に必要なジェンダーとセクシュアリティの視点とは
2021.05.12

【実施報告】D&I推進に必要なジェンダーとセクシュアリティの視点とは

藤原快瑤氏
グラデーション 代表 ダイバーシティ&インクルージョンコンサルタント

5月12日(水)にグラデーション代表の藤原快瑤氏にご登壇いただき、「D&I推進に必要なジェンダーとセクシュアリティの視点とは」と題したオンライン無料デモセミナーを実施しました。当セミナーの一部をご紹介します。

ダイバーシティ推進≠女性活躍推進〜男女のギャップが大きすぎる日本の現状〜

まずは、「ダイバーシティ&インクルージョン」の意味を考えましょう。
ダイバーシティは、性別・人種・年齢・国籍などの表層的多様性だけではなく、経験・趣味・出身地・価値観・文化などの深層的多様性も考慮することが大切です。組織における具体的な取り組みとしては、女性活躍推進、障がい者の雇用、外国籍の社員の登用、介護離職防止、異文化理解、シニアの活躍、多様な働き方の推進、イクボス、LGBTなどがあります。
インクルージョンには、一員であるという所属感や自分らしさ・独自性という意味があります。多様な人財が、その能力が最大限発揮できる機会をもつことで活かされ、イノベーションを生み出し、価値創造につながっている状態のことを言います。単に、組織の構成メンバーが多様なだけでは、ダイバーシティ&インクルージョンとは言いません。多様性が尊重され活かされるインクルーシブな組織づくりを目指しましょう。

ダイバーシティ推進≠女性活躍推進ではありませんが、まだまだ日本は男女のギャップが大きすぎるのが現状です。2021年のジェンダーギャップ指数は156カ国中120位です。無意識の偏見による男女差別とみられる発言が炎上したニュースも記憶に新しいです。

ジェンダーとセクシュアリティの視点から見たD&I

まず、LGBTの基礎知識を学びましょう。
「LGBT」は、Lesbian(女性同性愛者)、Gay(男性同性愛者)、Bisexual(両性愛者)、Transgender(出生時に割り当てられた性別と自分が認識している性別が一致してない人)の頭文字をとった単語で、セクシュアルマイノリティの総称です。
最近は「LGBTQIA+」という言葉も使われるようになりました。自分の性別や性的指向を決められない、迷っている状態の人、典型的な男性/女性とは異なって発達した身体的特徴を有する人、恋愛感情や性愛を抱かない人など、多様なセクシュアリティを加えた言葉が生まれました。

ジェンダーブレッドパーソンは脳、生物学的、表現的な性、性的指向で多様性を図解で説明するツールです。「性=男と女」といった当たり前をときほぐすために使えるツールです。
性の多様性は、グラデーション。組み合わせは無限です。誰にとっても自分ごと。この尊重が全ての人の生きやすさ、働きやすさにつながります。

無意識にマジョリティや有利な立場の人たちが社会や組織の「前提」を作っています。マイノリティの視点や自分と違う考え方がこの前提に気付かせてくれます。

インクルーシブな組織文化を作る「インクルーシブリーダーシップ」のあり方

多くのD&Iの取り組みは「人材開発」の領域に終始し、インクルーシブな組織の風土づくりにまでは至っていないのが現状です。
個人レベル、対人間レベル、グループレベル、グループ間レベル、組織レベル、組織間・コミュニティ・社会レベルに共通してみられるパターンを分析して、組織開発の視点で考えてください。

インクルーシブリーダーシップの要素は、多様なメンバーの意思決定の包摂、都合の悪いことにも耳を傾ける謙虚さ、情報の透明性と説明責任、公平なマネジメントと評価、フォロワーシップです。リーダーシップのパラダイムシフトが必要です。

脳科学から見るインクルージョンとして、SCARFモデルがあります。人間が恐れや不安を感じる社会的要因を脳科学の観点からまとめたものです。立場、確実性、自主性、関係性、公平の視点で集団から排除されると、認められていないと認識してしまいます。尊重されているか、予測可能か、選択肢があるか、つながりがあるか、他人と同じ機会が与えられているかを意識して、組織開発を進めてください。

ご参加者のコメント

・当社は現状では、女性活躍や障害者定着といった部分の検討しかできていないが、もっと幅広い視点でダイバーシティーについて知ることができ、考えるきっかけになった。
・ダイバーシティの話が人財開発テーマに落ちがちで、もっと組織開発の観点を加えたほうが良いという意見に共感した。
・非常に勉強になる内容ばかりだった。社内での理解促進に活用する。
・講師の先生の語り口も良く、分かりやすい講義だった。
・「同質性の罠」のお話から、女性活躍をはじめとした多様性を受け入れる意義について理解できた。今後は、女性管理職(候補者)に対する研修以外にも、経営層や男性管理職に対してもD&Iがもたらす意義について納得感を持たせるための教育の必要性を感じた。

講師プロフィール

藤原 快瑤 (ふじわらかよ)

グラデーション 代表 ダイバーシティ&インクルージョンコンサルタント

・東京大学教育大学院バリアフリー教育開発研究センター特任研究員
・一般社団法人組織協創アカデミー ファシリテーション塾認定講師
・CTIジャパン コーチ養成講座全日程(基礎コース、応用コース)修了
・NPO法人日本ケースメソッド協会 人材アセスメント認定アセッサー
・早稲田大学人間科学部卒業
・国連平和大学(コスタリカ) ジェンダーと平和構築学修士
・アテネオ・デ・マニラ大学(フィリピン) 国際政治学修士

大学卒業後、韓国に渡りグローバルリーダー育成事業に4年間従事。チェコのプラハで事業の立ち上げに携わる。
帰国後、教育研修会社にて企業向け研修プログラムの開発から営業に従事。
その間、コーチングとファシリテーションを学び、国際開発の現場で活かそうとJICAの青年海外協力隊員として、中米のニカラグアに滞在。2年間の任期終了後、コスタリカの国連平和大学院に進学し、世界40カ国から集まった学生たちと共にジェンダーと平和構築を学ぶ。在学中に、学内でLGBTコミュニティーを立ち上げ、活動を展開。 世界の多様性を目の当たりにし、それが尊重される社会を実現する難しさと美しさを実感。現在は、これまで様々な多様性に触れてきた経験と、培ったファシリテーションのスキルを活かし、ダイバーシティ&インクルージョンをテーマに活動をしている。特に最新のアカデミックな知見を交えた参加型ワークショップを得意とする。
平成28年、29年度内閣府次世代グローバル・リーダー事業「世界青年の船」において、5大陸11か国から集まった参加者を対象に「ダイバーシティの推進とインクルーシブ社会の実現」コース担当。「青年国際交流会議」にて7か国から集まった参加者対象に「多文化共生」コース担当。

https://disociety.jimdofree.com/
ダイバーシティ&インクルージョン/アンコンシャス・バイアス/LGBTプログラム

お問い合わせ
facebook
pagetop