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2019.07.01

「やらない」ことを明確する戦略とは?!

伊庭正康氏
株式会社らしさラボ 代表取締役

私は、組織を率いるリーダーはもちろん、プレイヤーとしての営業であっても
“戦略”は極めて重要だと確信しています。
なぜなら、さらに効率的に成果を出すことが出来るからです。

でも、営業戦略を立てることにアレルギーを持つ方も少なくありません。
キチンと教わった経験がないからです。
営業戦略はシンプル。専門的な勉強は不要です。
リーダーシップ研修やコーチングで紹介する営業戦略立案のセオリーを紹介します。

戦略と戦術の違いとは?

競争戦略の大家、マイケル・ポーターは戦略の定義をこう語っています。

《マイケルポーターの戦略の定義》
 ・戦略とは他社にはない「独自性」に優れたポジショニングであり、
 ・これを担保する「活動システム」の構築であり、
 ・そのために「トレード・オフ」を受け入れることであり、
 ・したがって「何をやり、何をやらないのか」を選択すること。

これを営業戦略に当てはめて整理をすると、「対象を絞り」、「優れた競合優位性」を仕立てるということです。

一方で、戦略も大事だが「戦術」も大事という考え方もあります。

では、戦略と戦術は何が違うのでしょうか。

戦術とは、「その戦略をどのように実践するか、その方法」のことを指します。
営業でいうなら営業ツールの開発、営業トークの工夫、1日の商談数、などがそれにあたります。
トップ営業マン、トップ営業リーダーは優れた戦術家であることがほとんどなので、
「戦略より戦術」という傾向になっている現状があるのです。

「やらないこと」を決めただけで、新規獲得力が2倍に!

では、なぜ営業マン、営業リーダーに戦略が必要なのでしょうか。
それはより効率的に、そして確実に成果を出せるようになるからです。
私が企業から依頼を受けて研修を設計する際、スキル(戦術)の向上だけを考えることはしません。
まず、「やるべきこと」を絞り込みます。
というのも、ムダなことを一生懸命にやることほど、ムダなことはないからです。

私のコンサル先の例を紹介しましょう。
そのクライアントはリストを半分にしたことだけで新規開拓力は2倍に向上しました。
当初、リストは1万件あり、そのリストからの受注率は3%。
つまり、1万件から300件の受注が入る計算でした。悪くはありません。
でも、更に向上を図るのがビシネスです。
そこで、更に成果を出すために、2つのことをアドバイスしました。

(1)「やらない」ことを鮮明にする(受注率の低いリストを捨てる)
(2) より「競合優位性」を明確にする(「え?マジ?」と思ってもられるような優位性を作る)

これだけで、スキルのアップへの投資をしなくとも、1人あたりの新規獲得力は向上します。
それが、戦略を立てる効果です。

(1)今からは「やらない」ことを明確する

ムダなことを頑張るほど悲しいものはありません。
パワーは有限ですので、成果の上がることだけに行動を絞るのが得策です。
先ほどの例では、受注率の低いリストを「やらない」と決めました。
具体的には、要素別(地域、業種、企業規模、対前年比等)に受注率を割りだし、受注率が3%未満のリスト群をバッサリとすてることにしたのです。
するとリストは1万社から約5000件に減ってしまいましたが、その瞬間から商談からの受注率は2倍になり、1人あたりの新規獲得力が2倍になったのです。

まず、我々が、やることは、
 ・今までの活動結果の検証(行動効率の良いリスト、顧客群を特定する)
 ・これからのリスト、顧客群の絞り込み(「注力する群」「維持する群」「やらない群」)

このようにリストを絞るだけでも、成果が目に見えるように上がることでしょう。それが戦略の効果です。

(2)より「競合優位性」を鮮明にする

1つ質問します。

「あなたの会社のサービス、商品は、他社のそれと何が違うのでしょうか?」

この時に「・・No1」「・・の機能が最高」といったよう商品自慢ではなく、お客様にとってのメリットで答えてください。他社製品では得られないメリットです。

答えられましたか?これが2つ目の「競合優位性」を鮮明にするということです。

たとえば、
「スピードが速いので***を得られるメリットがある」
「アフタフォローで**をしているので、***のメリットを得ることが出来る」
といったような、サービス・商品を導入した後のメリットを鮮明にすることが営業活動をより効果的にします。

私の前職(求人広告営業のリーダーの時)の時もそうでした。
私の組織で実践したことを整理すると
 ・“お客様の売上を増やす採用”を標ぼうした。
  これは他社はやっていないことでしたので、お客様からは驚かれた。

 ・最初は、お客様も半信半疑。
  でも実際に、人材派遣のお客様は採用を通じて、8か月で30億も売り上げが増え、
  イタリアンのお店にはブライダルニーズを取り込む(採用も必要)ことで、
  年間1000万以上の売上増加にも寄与。

 ・そうなるとお客様からのリピート率、紹介が向上。効果的な営業活動の展開に成功。

もちろん、これにはノウハウも必要なのですが、ここでは割愛します。
大事なことは、他社ではできないメリットを提示することがさらに営業活動を効率化させ、収益向上にもつながることとなります。

さて、いかがでしたでしょう。
このように、営業で成果を上げ続けるには戦略が必要なのです。
実は、9割の営業組織は戦術を磨いているものの、明確な戦略はありません。
なので、営業の戦いは戦略をキチンと設定した組織、人が勝てるのです。
ぜひ、戦略を磨き、さらなる飛躍にヒントにしていただけましたら幸いです。

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