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2018.12.03

「ご機嫌取り」は、相手の感情に配慮した「社交的な働きかけ」?

鈴木雅幸氏
臨床カウンセラー養成塾 塾長/心理カウンセラー

「人間は感情の生き物(動物)である」

この言葉は、人間や人間関係の本質を見事についた言葉だと思います。

私たちは人間関係の中でついつい次のような勘違いをしてしまうことがあります。
「正しいことをわかってもらえれば、人は動く」
正しいと相手に理解してもらえれば、相手も自分の言いたいことをわかってもらえる。

ですが、人間関係を改めて考えてみましょう。
そうすると、実は、正しいことで回っていくことって、以外に少ないんだということが見えてきます。
正しいから、人は納得するとは限らない。
正しいから、人は行動を起こすわけではない。
この事を知っておくと、人間関係を円滑にできます。

何も、間違ったことを受け容れましょうと言っているわけではありません。
正しさだけで人は動かないことが多い。
そういう側面もあるってことなんです。

なぜ、正しいことを伝えても、人は動かない時があるのでしょうか?

そこには「感情」というものが存在するからです。
人間は理性より先に感情が動きます。

人は正しいか、正しくないかだけで自分の行動を選びません。
好きか嫌いかという感情の方が、行動を動かしている部分が大きいのです。
ですから、誰かに動いてほしいのであれば、正論で迫っても上手くいきません。
感情が動くような働きかけをすることです。
喜び、怒り、悲しみ、さびしさ、感動、達成感。
人間関係を気持ちよくするためには、こうした「感情」にフォーカスすることが大切です。

目の前の相手の感情が、今、どういう状態にあるのか?これをしっかり観察した上で見極めます。
その感情に合わせて働きかけると、人の心は動いていくものです。

ただ、例外もあります。

どうしてもわかり合えない相手というのもいるからです。その場合、無理はできません。
そういう相手からは距離を取り、場合によっては離れることも必要です。
同じ職場で一緒に仕事をするなど、関わることが避けられない場合は最低限のコミュニケーションを取りながら、ある程度の距離感を保つしかありません。

例えば、目の前の相手が「正しいことを言われるのが面白くないんだな・・・」とわかったとします。
こういう場合は、いくら正論をつきつけても、かえって関係はこじれるだけです。
そんな状態の相手には、正しさを説いても通じません。
むしろ、正しければ正しいほど、怒りを買うだけかもしれません。

なぜなら、私たちは感情の生き物だからです。
「正論は、時には人を追い詰める」

だから、人間関係では、まず感情を考えましょう。

相手の感情状態に気づき、どう関わればいいかを判断します。

私は人間関係では、多少の「ご機嫌取り」も必要だと思っています。
別な言い方をすると「社交的な働きかけ」です。
それは「自分が嫌われないように」という動機ではありません。
相手への配慮、心づくしとして、多少のご機嫌取りもありだと思います。
これは相手を敬う、立てる、大事にするということです。
ある意味、大人の対応ともいえます。

仕事の成果を上げるためには、上司の評価も大事になります。

ご機嫌取り(配慮)によって上司の普段の苦労を察する。
自分の手が空いたら「何かお手伝いできることはございますか?」と声をかける。
ご機嫌取りではなく「配慮」によって上司の評価を得るわけです。
私はこれを、決して邪道な仕事の仕方だとは思いません。
むしろ、より賢明な仕事の仕方だとすら思っています。

相手と関わるとき、感情を先にプラスにもっていきます。
その方が、その後の関係性も良好になりやすいんです。
「おもてなし」というのも、相手を大切する行為です。
相手のことをひたすら考え、相手を敬う行為です。

つまり、相手の感情に配慮した行為だといえますね。

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